ありそうでなかろうなもの

バブみ道日丿宮組

お題:かっこいい任務 制限時間:15分

ありそうでなかろうなもの

「お前はいいよな。真面目に見るだけで仕事になるのに、体術までできるって、おまけにモテテ」

「それはお前にだけは言われなたくないぞ。女の子と常時シンクロして戦えるなんて、物語にでてくる主人公がやってるやつだぞ。めっちゃ可愛いし、紹介もしてくれない。こんなひどい話がどこにあるんだっていうんだい」

 犯人を追い込むのに俺らときたら、どうでも良い会話を繰り広げてる。

 ビルの屋上を飛び越えて、次のビルへ。

 落ちる能力者は特務失格。テスターからやり直せって言われる。散歩道を歩くように飛翔する。それが得意な能力持ちもいたりする。

「なぁあいつ落ちるぞ」

「落ちる? ジャンプに失敗したか?」

 相棒の顔を見る、そこには赤い目がライトのように光ってた。

 遠くの場所を、明るさ関係なく捉える能力だ。

 だから、おいかけっこは得意。こうして一緒にいるだけで功績があがるんだから、楽なもんだ。

「おっと、やっこさん。けったいな量のオーラ出してるな」

 つまりは、こちらと戦う気がまんまんということだ。

「ビル30階分飛び降りるのは慣れないんだよね」

「わかりみ」

「あぁ、こっからもう意識変わるから、また逮捕後にでもな」

「はいはい、早く変われって」


 目を閉じ、リンクを飛ばす。


 基地に隠れて住むーーもうひとりの相棒に念を送る。

 イメージが浮かんでくる。ベッドで横たわるーーパジャマの少女。

『やっと出番ということでしょうか。わかりました』

 コンタクトがつながる。

「いきますよ!」

 意識はもうひとりの相棒に譲り、俺は隣でみる。

「わかってる!」

 もうひとりの相棒は持参してる刀を取り出すと、握りしめたまま飛び降りる。その後ろを相棒が銃を取り出し、構える。

 ドンといつ衝突音のあと、緑色の血が噴水のようにあがった。

「これで今回の騒ぎにあった人ならしは終わりか?」

「そうだといいのですけど、注意はしたほうが良いと思います」

 僕の身体を使って、あまり女の子っぽい感じをしてほしくないんだけども。


 その儚い願いは毎度叶えてもらえない。

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ありそうでなかろうなもの バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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