宇宙の不思議体験、常識が通用しない宇宙の世界

近田 益貴

第1話 異常な世界が正常

 現在、私たちが生活している地球で考えられる常識が広い宇宙世界では、非常識であったり、現実的な話では無かったり、地球人に理解できない事が沢山有る。この物語は200光年先にある地球外地球の理想郷に地球生命体が太陽爆発による生命維持不能状態の為、離れ世代交代を繰り返しながら辿り着くまでの信じられない旅の物語です。

常識を物語にあてはめずに読み進めるべし!



 地球生命を生み出し、はぐくんだ光の源である、太陽が膨張を開始した。地球が徐々に高温にさらされ、このままでは生命維持が出来ない、いわゆる灼熱地獄になりかけているのだ。太陽がこのまま膨張し、地球が飲み込まれるのも時間の問題だ。地球が出来てから、今の時代になるまで生命がその恩恵を受けていた時間はたったの900億年だった。人類はその期間中、太陽が膨張し地球を飲み込むという仮説の元、地球脱出と地球外生活圏の探査を兼ね、宇宙探査機を飛ばしていたのだ。探査機と言っても、現代人の想像する探査機とはスケールがかけ離れている。建築構想から建築開始までに20年、更に建築開始から39年を要した探査機だ。打ち上げも大変で、全てを打ち上げる組み立てるのに39年の月日が必要だったのだ。建築には人間が2世代にわたって関わり、引き継いだ子供世代が実際の運用に携わっている。

 

 この探査機の建築当初からの振り返える。

有人探査を計画したのは、日本の種子島という場所で生まれ育ったガソリン販売店の親を持つ青年が発起人になり宇宙有人探査計画が始まった。

この青年は種子島で生まれロケット打ち上げをしているのが、

日常生活の光景になっていたのだが、ロケットの向かう宇宙を知らず、行ったことのない宇宙に興味を示し、勉学を重ね、別の角度から地球を観た際に、自分の子孫が太陽の膨張で絶滅してしまう可能性があると言う事実を突き止めてしまった。絶滅回避法を考える日々が続き最終的な結論が出たのは、青年が中年になった時だった。結論はというと、地球外生活可能惑星人類移転作戦だった。しかし、それを現実にするには色々な問題があった。1世代で200光年先の地球外惑星にたどり着く事は不可能だ。何世代かの世代交代をしながらの移住先探査の旅になるという事実が最初の難題として持ち上がる。

又、この計画を発表した時に賛同する人が極少数(青年の近所で焼酎を作っている同級生と、青年の弟このたった2人が当初の協力者となって居た。何故賛同が少ないのか?それは、「太陽が膨張する危険な存在になる事を本気にする人が居なかったのだ」しかし、時代が進み色々な研究者が、太陽膨張地球灼熱地獄となる。膨張した太陽にさらされることにより、人類滅亡が現実になると発表され、移住計画に賛同する人が沢山 出る様になって研究資金の調達が完了したのだ。

そこから建築計画が再開、建設に当たり建築担当者が宇宙に滞在し、

組み立てをする必要が有る。長期の組み立て作業になった。

宇宙船内で世代交代が出来る必要が有り、全ての職種の乗船が最低限必要になる。更に宇宙空間で妊娠出産、介護、育児も当然、行わなくてはならない。地球と変わらない程度の生命維持に不可欠な食糧を地球から送り届ける事は不可能だ。食料になる動植物も宇宙船に生かした状態で複数乗船させる必要がある。ノアの箱舟の未来バージョンだ。過去の世界で、もしかしたら、地球生命の元になる諸々の情報、物質その他を別の星の住民が種の保存の為に送り出し、生命が維持可能な地球に舞い降りさせたのかも知れない。今行われている移住計画において、動植物の輸送も必須。

細菌類も有る程度輸送する必要が有る。細菌も生命の維持に不可欠な存在であるのだ。細菌を利用した食品も有る。保存するうえで必要になるものも有る。いわゆる熟成という調理法に細菌の力を借りている、発酵食品には酵母菌等が活躍している。

 生命維持と、移住した星で活動する筋力を落とさない工夫として、人工重力を生み出し、常に自分達の筋力を落とさない工夫も必要だった。

この様な条件を満たせる宇宙船の大きさは尋常な大きさでは無い。

宇宙船の内部構造は複雑になり、更にコンピューター等の精密機械による自動制御での運行。{完全に自立航行をして、人類の意思に関わらず危険回避と生活可能惑星の探査、可能惑星が発見された場合の着陸までを自動制御するプログラムが組まれている必要があるのだ。}

何故なら、乗船している人間が操縦できるような簡単な宇宙船では無いし、宇宙船内で人類が何らかの事情で万が一死滅してしまった場合でもその他の生命が生き残っていれば、地球外生命維持可能惑星が発見された暁に、それらの生命をその星に着陸して送り届ける事が出来れば、その先に進化が進み、知的生命体が派生する可能性を残すことが出来るのだ。酸素発生機も初期段階では必要になるだろうが、最終的には光合成を植物がして宇宙船内の空気を浄化する地球のサイクルと同じ条件に切り替えられる。水も下水処理を行い循環させるシステム。川も作り人工的な海洋も作る必要が有る。何故なら、海洋生物も当然、移住させる必要が有るからだ。何より生命発祥の海を移転しない選択肢は無いのだ。

地球生命体が現在、生息しているのは、地球の外殻地上の酸素に守られた空間だが、宇宙船の外核上に酸素の幕を張りそこに居住空間を作る事は現在の技術では出来ない。外核の中に地下世界を作りその中で生活をする形式を取らざる得ない。中心に引っ張られるのが重力の作用だが、その真逆の作用で人工重力を作り出す方法が採用された。具体的に説明すると、

遠心力を使い、外核に押し付ける力を生み出すのだ。中にいる生命体は遠心力により目が回る事は無い。常に遠心力が全体に作用しているので、地球上にいる感覚に近い状態で生活が出来る環境だ。

地球がかなりの速度で自転と公転をしているのに、回転している事実が体感としては全くないのは、地球には重力があり、引っ張られているから、固定された場所にとどまる事が出来ている為,回転している事を実感しないだけだ。その代わり、無重力空間に人口重力を発生させているから、宇宙遊泳が出来ない。宇宙空間にいる感覚は無くなる。地球上で1Gの重力に相当する遠心力より強い力を人工的に作り出し、常に2Gの力を掛ける仕組みにされた。この様に強い重力を作り出す意味は、地球よりも大きな惑星に移住することになった場合、当然重力が大きくなる事が想定できる。その時に適応しやすくする為だ。地球よりも小さな惑星には移住困難だ。何故なら酸素を逃がさずに留める重力が無いからだ。必然的に地球と同じかそれ以上の惑星に移住する事に成るのだ。

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