魔物と戦うのは誰なのか

かろん

魔物と俺

「――本部!!大変なことが起こっています!」

「おい!無線はあとからにしろ!今は、をなんとかするんだ!」

「あ、ああ、分かってる!分かってるけど!」

「くそっ!ダメだ、全然魔法が効かねぇ!」

「ちょ、魔法が効かないってなると――っっっ!?」

「おい!!しっかりしろ、くそっ、なんとか……なんとかしなきゃいけないのに、なんで魔法が効かねぇんだ!なんでお前は不死身なんだ――!!」


夜になると、『魔物』と呼ばれるものが動き出す。

詳しくは知らないが……魔物は、夜にしか活動しないらしい。

なので、夜になると住民は厳重に戸締りをして就寝をする。

そうしないと、魔物に殺されるからだ。

「――いつも魔物駆除……まったく、いつになったら休暇が取れるんだ」

「まあまあ、魔物駆除に携わる人って、給料高いんでしょ?」

「まあな」

魔物駆除専門組織――REY

ここには、数多くの部隊員がいる。

魔物駆除専門チーム、医療チームなどと、各専門分野に配属されているのだ。

聞いた話によれば、魔物駆除に携わっている人は、他のチームよりも給料が高いらしい。

あくまで聞いた話なので実際は分からない。

だが、目の前にいる俺よりも少し身長が低いが、それなりに筋肉があるワンイズは魔物駆除専門部隊に配属されている。

ちなみに俺は、情報を徴収したり処理するチームに配属している。

「お前はいいよなぁ。毎日のようにパソコンしてるんだろ?」

ワインズは、自分のベッドに寝転がりながそういう。

「まあほぼ毎日パソコン作業してるけどさ、こっちも大変なんだよ」

「へぇー?」

「毎日のように情報処理、ずっとパソコンを見てるせいで視力は低下するし……しかも、情報処理なんか間違ったらアウトだから」

「ああそっか。視力が低下するって、結構致命的だな」

そう。実際に俺は、視力がかなり低下している。だが、まだ裸眼で生活できる。

「まったく……本来なら、俺は元一般人だったんだけどなぁ」

「俺は小さいころからここにいたよ」

なぜ元一般人の俺はこのREYの施設にきたのか。

「まあ、いいんじゃない?こういう生活もさ」

「……そうか?俺は、元々の生活の方がいいなって思ったりするけど」

「仕方ないさ。おっと、もうお昼か。そんじゃ、昼飯行こうぜ」

そういってベッドから飛び降りるワインズ。

ワインズの後を追うようにして俺も向かった。









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