不細工高校生の、メイク整形学園生活。醜い顔でも彼女が欲しい

小林 祐一

第1話 始まり

「好きです付き合ってください」

俺、神谷雅人は一目惚れした。

そして今、その相手に愛の告白をしている。


クラスメイトである彼女の机の中にラブレターを投函し、放課後校舎裏に呼び出した。

俺の告白相手である彼女は俺の理想に合う理想的な女性だった。


細くて今にも閉じてしまうほどの瞳に、リスがドングリを口に含んだ後のような丸い輪郭。

そして、ふくよかな体に、全てを包み込んでしまうほどの大きなお腹。


その同級生はどんな芸能人の女よりも、美に磨きがかかっていた。

俺の精一杯の告白、彼女の返事を待つ。


「ごめんなさい。私あなたのような不細工興味無いの、私は福士〇汰や真〇佑のようなイケメンが好きなの」


「うわぁぁぁ!!」

またふられてしまった。

高校生になって3度目の告白失敗である。


何がいいんだテレビの俳優のどこが、あんなのただちやほやされているだけじゃねぇか。

「だから貴方のこと恋愛対処としては見れない、ってどこ行くの」


俺は恥ずかしくなって、その場から走って逃げだした。


・・・・・


振られた俺はいつも通りに幼なじみの坂本駿の家に来ていた。


「また振られたよ駿。どうして俺はこんなにモテないんだよ」

部屋の中で駿に愚痴をこぼす俺。

「その度に毎回俺の部屋に来るな。雅人の愚痴を聞かされるこっちの身にもなれ」


我が友人ながら酷い言葉を賭けられる

「うん、お前まず毎朝無駄な時間を過ごすのは止めたらどうだ。そうすれば誰からも好かれるぞ」


毎朝の無駄な時間とは何だ。

「お前、まさかまた俺のメイクの時間が無駄だと言うのか」

「そうだ。それ以外にあるのか?」


これは流石に仲のいい友人と言えど腹が立つ。

「ふざけるな。俺はこのメイクだけで2時間もかけているんだ。何が無駄だ。お前みたいな普通の顔と違って俺は世間から貶されるほどの不細工なんだよ。お前と違って」


「おい、喧嘩売ってるならマジで買うぞ」

喧嘩を売っている訳では無い。

俺は単に幼なじみの顔が羨ましいのである。

「あ~あ。お前と顔が交換出来ればいいのに」


「出来ることなら俺もそうしたいわ」

ため息を吐く駿。

コイツは本当に俺のこの顔が羨ましいのか、そう思うと少し同情した。


「まあ、仕方がないか。お前の美的センスはおかしいからな」

「その言葉まんまお前に返すわ」

その言葉は俺に向かって呆れているようであった。



(作者からここで言っておくことがある。

雅人は別にブサイクではない、俳優に顔負けしないイケメンだ。

だけど、美的センスのいかれた、B選である。)


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