ひったくり犯を確保!
「み、見てよミア! 王都限定のお菓子だって!」
僕らは街に繰り出したが、トラップに引っかかるように甘い匂いに誘われてお菓子屋にいる。
「ライト、これから王都に行くのになんでここで買おうとしてるの……」
「だ、だってほら! これ半額らしいよ!!」
「多分王都の方が安いんじゃないかな〜」
「で、でも昨日のワイバーンでいっぱいお金もらったし……」
「王都でいっぱいお菓子買えなくなってしらないよー」
「……全部正論で辛い」
「ライトのためを思って言ってるんだから」
お菓子は諦め、王都に向かうためのものを色々と買い揃えた。荷物は全部【
だがその瞬間に――
「あっ!!」
「へへっ、中々の量入ってんじゃねぇか! じゃあの〜♪」
後ろにいた人が袋を奪い取り、全力ダッシュでこの場を後にしようとしていた。
「あれがアーリャさんが言ってたひったくり犯……。あの袋の中は王都でお菓子を買うための……。いっぱいのお金が……」
呆然としていたが、すぐに状況把握をした。
「ミア! 僕はあの足が速い人を追って捕まえる! ミアは空からもう一人の犯人を探される!?」
「任せろり!!」
「ドラゴンの姿になったらダメだからね!」
もうすでに粒のように小さい犯人の後ろ姿を見ながら、足に力を込め始める。
そして、手に入れた一つのスキル名を唱えた。
「【
周囲の風は吹き荒れる。小さく見えた犯人の背中はもうすぐ目の前にあり、僕は押し倒して拘束した。
「はッ!? 俺の速さについてきただと!? あ、ありえねぇ……ってか見た目と違ってなんでこんなに力が強ぇんだ!!」
や、やっぱり筋肉がついてるのかなぁ! 前だったら多分、こんなのすぐに解けられちゃうし。
ビバ、成長!
ジーンと、己の成長に感激していると、あたりがザワザワとしだした。
「おお、見事なもんだな」
「アイツら捕まえてくれるタァよくやった小僧!」
「私もそいつにひったくられたから、仇をとってくれてありがと〜!」
ガヤガヤと人も集まりだして、賞賛の声で溢れていた。
「このお金は返してもらいます。お菓子が買えなくなるのでっ!」
「くそぉおお! アイツ……見捨てやがったなァァ!!」
こっちは大丈夫そうだけど、ミアは大丈夫かな。
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