スキル増えすぎっ!

 みんながワイバーンの解体をしている中、奥の部屋でギルドマスターに呼び出されていた。

 ギルドマスターは開口一番こんなことを言ってくる。


「ライト……お前、何があった……?」

「何が、とは……?」

「ギルドマスターをしていると人の強さがある程度わかるのだ。そっちのミアは昨日化け物だとわかっていたが、今ではお前まで化け物に見えるのだよ……」


 心当たりしかない。ワイバーンを拳一つで倒したしなぁ……。


「えー……。多分ですけど、昨日ミアと契約というか、テイムしたんですよ。多分それが影響してるんじゃないかなぁと思います……」

「むっ? 逆に今までテイムしていなかったのか!?」

「はい」

「はぁ……成る程な。取り敢えずワイバーンを倒したのは本当そうだな」

「あ、もしかしたらスキルが増えてるかもしれないので、鑑定の水晶玉って持ってこれたりしますか?」

「ん、いいだろう」


 ギルドマスターは近くにいた職員に声をかけ、持って来てもらった。


「ご存知だと思いますが、こちらの水晶に手をかざすと現在持っているスキルが表示されます」


 職員さんが丁寧に説明してくれた。言われた通りに水晶に手をかざすと、文字がボヤヤァンと浮かび上がって来た。


「んんっ!?」


 二、三個ぐらいかと思ってたけれど、十個ある!?

 僕はその文字をじっと見つめる。


・【感覚共有かんかくきょうゆう

・【技能借用スキルレント

・【邪竜じゃりゅう片鱗へんりん

・【滅尽豪雷球めつじんごうらいきゅう(現在使用不可)】

・【成長促進せいちょうそくしん

・【スキル安易獲得】

・【鑑定かんてい

・【韋駄天 いだてん

・【料理之神りょうりのかみ

・【◾︎◾︎◾︎◾︎◾︎(現在使用不可)】


 うわぁ……。なんか、人が持ったらいけなさそうなスキルがある。特に四番目……。

 っていうか最後の『◾︎』ってなんだろう?

 しかも、【鑑定】って国宝級なレアスキルだった気が……。


「どうだった、ライト」

「な、えー……。に、二、三個でした、ギルドマスター!」


 流石に『十個ありました☆』なんて言ってこのスキル見せたら泡吹いて倒れそうだし。

 これは僕の心の中にしまっておこう……。

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