60
60
デビルバットは僕に対して襲いかかってきているけど、ミューリエには近付いていく素振りすらほとんどなかった。
もしかしたら、実力の差――つまり彼女には勝てないと本能的に察しているのかも。それなら弱い僕を集中的に狙ってくるのも頷ける。知能はスライムより高そうだもんね。
だとしたら下手に動くのはますます危険だ。その隙を狙って攻撃されてしまう。
「ミューリエ、どうしよう? 僕は身動きが取れないよ……」
「そのようだな。今回はどうする? デビルバットを倒して良いのか?」
どことなく無機質な感じがするミューリエの声。もしかしたら、臆病な僕の姿を見て呆れているのかな……。
でも相手は凶悪なモンスターなんだから、怖がってもおかしいことじゃない。ミューリエにとっては弱いモンスターであっても、僕にとっては桁違いに格上の相手なんだから。
「うん、お願いするよ。このままじゃ二進も三進もいかないもん」
「だが、あれはモンスターではあるが獣に近しい存在だ。もし邪気がなければ大型のコウモリと変わらん。それでも本当に倒して良いのだな?」
念押しをしてくるミューリエの顔は冷ややかだった。鋭い目付きで僕の方を睨み、その瞳には光も温かさも感じられない。
目が合った瞬間、威圧されるような空気を感じ、背筋に寒気が走って体が強張る。
今のミューリエは……ちょっと怖い……。
――さて、どうする?
●デビルバットを倒してもらう……→15へ
https://kakuyomu.jp/works/16816927860513437743/episodes/16816927860514382733
●デビルバットを倒すのをやめてもらう……→55へ
https://kakuyomu.jp/works/16816927860513437743/episodes/16816927860516135104
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます