18
18
僕は左の道を進んでいった。すると程なく再び分岐点が見えてくる。しかも今度は左右に加え、直進する道もある。
奥へ行けば行くほど道は複雑になってくるなぁ。
「ミューリエ、次はどの方向へ進もうか?」
「その選択はアレスに任せる。それよりも気になることがあるのだが……」
「ん? 気になることってなぁに?」
「アレスは帰り道が分かっているのか? もちろん、今はまだ洞窟に入ったばかりゆえ、道を記憶しているだろう。だが、このまま奥へ進んでいったら記憶力の限界を超えたり勘違いをしたりして、分からなくなるやもしれぬぞ?」
「っ!」
僕の心臓がバクンと大きく跳ねたあと、激しく脈動を始めた。しかも焦る気持ちからなのか、全身に冷や汗が滲んで少し寒気がする。
――しまった! ミューリエの言う通りだ。
初めての洞窟探索ということで緊張しちゃって、先へ進むことで頭がいっぱいだった。だから帰る時のことまで気が回らなかった。
目印を定期的に壁に付けるとか、パンくずみたいな何かを落としながら歩くとか、通った場所を示す工夫をするべきだった。
どうしよう、今まで分かれ道が何か所かあったような気がするけど明確には覚えていない。
●道が分かっている振りをして勘で進む……→58へ
https://kakuyomu.jp/works/16816927860513437743/episodes/16816927860516434748
●道が分からないと正直に言う……→9へ
https://kakuyomu.jp/works/16816927860513437743/episodes/16816927860514163940
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます