第42話 ゴーダッツのたくらみ プレシャスvs.ブラックペッパー
人間の本性をあらわす相対する言葉として、こんなものがあります。
性善説・性悪説。
いずれも中国に古くから存在する『儒教』から始まった言葉で、言葉面を見てイメージすると、なんとなーく『人の本性は善(もしくは悪)だ』的な意味に見えてきますね。こういった人の心に関する研究というか考えみたいなものは世界的に考察されており、現在は科学的に研究する『心理学』なんていうものもあります。
が、ちょっと待って下さい。性善説については『人の本性は善である』という説で合ってるのですが、性悪説についてはちょっと違うのですよ。性善説を唱えたのはかの有名な孟子ですが、その後ひと世代後に生まれた
ザックリ書くと『人はかんたんに欲望に負けちゃう生き物なんだよ』ってことです。で、荀子くんはついでに「だからこそ教育で"善"の性を培っていくんだよ」とも申しております。これは犯罪心理学の『犯罪機会論』にもつながる考えですね。で、自分自身の欲望やドロッとした感情に流されぬよう、自らを律する力を養っていきましょうというのが性悪説の根本的な主張。決して「人の本性は悪だ!」とかいうアレじゃないのです。
心理学的な視点だと『生まれながらの善(悪)人』ってのはいません。本能的な機能と環境、後々の教育によって善悪判断を学習していくわけでして……フェンネルも例に漏れず、そうしたアレコレによってヴィラン側へと歩んでいってしまったのでしょう。
これはすべての人に共通することです。凶悪犯罪者であれ生まれながらの悪なんていないのでしょう。だからといって犯した罪が消えるわけではありませんが、ソコに至るまでのどこかで止められたかもしれないと考えると、人の世の無常さが伺えるような気がします。
なんか湿っぽい流れになったのでプリキュアに癒してもらおっと。んじゃ、さっそく視聴していきますか。
まさかフェンネルが怪盗ブンドル団の団長『ゴーダッツ』だったなんて!! ――まあフラグたっぷりだったんだけどね。
えー、動機が判明しました。嫉妬です。すべて受け継ぐはずだったスペシャル・デリシャストーンをシナモンに奪われそうになったので消してやったと。嫉妬って悪に分類されガチな感情だけど、これケッコーな力を発揮するのよ。だから学習法として『勝手にだれかをライバル認定してソイツより"上"を目指す』的な勉強法もあったりするけどそれは割愛します。気になる方はググってみてね。
若い衆は残して、マリちゃんシナモンコンビはえっこら大人の戦いをしましょう。テーマは『力とはなにか?』って感じ。うん、むかーしから語り継がれる伝統の議題よね。で、むかーしから語り継がれる展開を彼らがやってくれます。
世界征服しようぜ! いやいや平和利用こそ力のあり方だぜ! 平和だぁ? その影には平和を享受できないヤツもいるんだよ! ごめーん! 最後はだいたいギャグ展開でおわる感じ? まあ冗談はともかく、プリキュアにしては珍しいシーンがありましたね。
色は塗ってないけどシナモンちゃん流血しとるがな。まあ、力と力のぶつかり合いだもの本来はこういうシーンを描写しなきゃいけないんでしょうが、プリキュアは子ども向けだからそこはボカすんですよ。まぁ最近はヨーロッパ周辺やら中央アジアやら、日本だって隣国との関係とかで忙しいし、子どもにもそういうアレをオブラートながら伝えたほうがいいと思うんだけどね。
唐突にダウンしたわ父さん。その後何事もなかったかのように変身バンクに突入するの草。
さて、本日は冷蔵庫のウバウゾー相手に切った張ったしています。で、冷凍庫ビームを返された上に自ら発する熱で氷が溶けて……漏電した。あ、ウバウゾーさん冷蔵庫のそんなとこまで再現しなくても(汗
フェンネルが創った奪うぞーだからなのか、ちょっぴり黒猫風味な見た目がかわいかったです。
部下を置いてどっか行っちゃうってのも悪の親玉ならではのムーブだよね。
この病院はあれか、芙羽家か菓彩家管轄の病院ですか? あ、ちゃんとセクレトルーさんも誘か、えー連れてきたんだね。
――うーんとくに何がアレってわけでもないけどね、人間って弱ってる時に手を差し伸べられるとクラッと来ちゃうんですよ。そんで自分を救ってくれた人に対してめっちゃ感謝感激の嵐といいますかそれを通り越してもう崇拝対象みたいな感じになっちゃって、そういう流れをうまく作るのがエセ宗教だったりするんだけど以下略。
さて、ゴーダッツを追ったブラペを追ったプレシャスを追ったローズマリー。ブラペはプレシャスを振り切って行ってしまったねぇ……まあ、気持ちはわからんでもない。っていうかこういう作品だと「憎しみは何も生み出さない!」的な方向に行っちゃったりするけど、ぶっちゃけ喜怒哀楽はきちんと表現したほうがいいですよ? 溜め込むと反動がヤバいからね。怒りや憎しみ的な、今の世の中"悪"とされガチな感情はガマンするのではなくうまくコントロールすることが大事とされています。心理学では『昇華』なんて言われたりするけど、怒りって実は強いエネルギーを生み出してくれたりするから、スポーツや創作活動に怒りをぶつけると思わぬ成果を挙げちゃったりするのです。なんにしても、感情は『なんらかに形』で表現しましょうね、と心理学をかじった程度のオッサンが申しております。
力がほしいか? ――あれ、このセリフどっかで聞いたなぁ。
過去、プリキュア同士の戦いを描いたら子どもたちがわんわん泣きまくったという現象があったそうです。それ以来プリキュア vs プリキュアはめっちゃ気を使って描写してきたようですが、今回はブラペ相手だから遠慮しなくていいんじゃないかね?
力は『護る』ためのもの。決して他者を傷つけるためのものじゃない……現在世界各地で行われてるいざこざはだいたいソレが名目なのですがそれは。ま、まあ置いときましょう(汗 ――そういや過去には『キュアムーンライト』なんてキャラもいたっけねぇ。
が、悪役にはそんな理屈かんけーねーんだぜ。
「おまえになにがわかる」 このセリフ、創作物でもよく出るやつですね。またまた心理学的なあれが絡んでくるのですが、人間って基本的に他者のこころを読めません。しってるつもりでも実はよく知らなかったりします。んで、上記セリフには『わたしは〇〇をよく知っている』という心理が根底にあるわけですが、実はその『わたしが知ってる〇〇像』ってのはわたしがわたしの中で勝手に作り上げた〇〇の像に過ぎません。なので、ある程度〇〇という対象について理解してるつもりでも、そこにはわたしという存在が投影されています。うまく説明できないけど、まあつまり『知ってるつもりでも、必ず何らかのフィルターがかかっているので本当の意味で相手の心情を理解することはできない』ってことです。世の中にはそれを理解して、人間心理を利用して心を読むメンタリストなんて職業の方がいらっしゃいますが、あれは『そういう状況に持っていくスキル』が凄まじいので心を読んだ感じになるのです。
閑話休題。まあ、つまりゴーダッツがプレシャスに言うとる「おまえの自分勝手な想像を押し付けた~」って見事にブーメランだったりするのですがそれはそれということで。
言うて女子中学生には辛いよね~。さらに畳み掛けるようにマリちゃんとコメコメもダウンさせゆいに追加ダメージを与える。うぅ~ん、スタッフさんやりますねえ!(歓喜
いよいよクライマックス感がしてきました。歴代プリキュアもね、ラスボス戦の前にいちど絶望のターンというか、まあ崖っぷちどころかマリアナ海溝のどん底まで落とし込む演出がされたりするのですが、今回もまたいたいけな女子中学生を極限まで追い込むんだなぁ。
次回、世界中の料理が消えてしまったらしいです。まあ食材さえあればクリエイティブな人が『料理』を開発するからセーフセーフ。なんて冗談はさておき、どん底まで落ちたゆいのメンタルを、周囲の人がどこまで支えてくれるのかが楽しみですね。
さて、本日も楽しく視聴できました。セクレトルーやナルシストルーの今後も気になったりするけど果たしてラスボス戦に登場するんかね? ――っていう方面にも期待して、また1週間たのしくって、え?
おお! 次回作『ひろがるスカイ!プリキュア』の告知が始まったか。前々からタイトルは知ってたがキャラクターは所見ですね。どれどれ……『ソラ・ハレワタール』とな? ヒーローに憧れる運動神経抜群女子と。また新たな楽しみが増えましたね。
ゆいたちと新たなプリキュアの活躍がまた楽しみになってきました。これは1週間も待てないぞ? ――そうだ、プリキュアのYouTubeを見よう(ステマ
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