究極ラッキーガール、最強貧乏神に取り憑かれました…。 ~神とを繋ぐ“白結の巫女”ハルカのナイショ話~

しんいち

第一章 貧乏神に取り憑かれました

第1話 ラッキーガール

 私の名前は、多喜たきハルカ。ピッチピチの22歳です!


 容姿端麗、頭脳明晰、スポーツ万能の、完全無敵スーパー女子!!

・・・だったら良いなと幻想を抱く、ごく平凡(?)な女……。

 てへへっ。


 え、なに? 22は、もうピチピチじゃないって?


 そっちを、突っ込むな!


 ・・・・・。



 お、オホン…。

まあ、毎日、元気溌剌、楽しく暮らしています……。



 私は自分のことを、超レアなラッキーガールだって思っています。

……思っている。いや違う。実際、そうなんです!

 ですが周りの人は、みんな口を揃えて私に言うんです。


 「かわいそうに…」って。


 ちょっと、それ、やめて欲しいんですけど!!

聞きようによっては、私が頭おかしい人みたいじゃないですか!

私は正常ですよ!


 うん? 自分で正常だっていう奴が一番ヤバいって?

 嫌だ。冗談はヨシコちゃん! ホントに、私は正常ですってば!


 まあ、「かわいそう」と言われる理由について、全く心当たりが無い訳では無いんです。

但し、私がそれについて、別段気にしないというだけのこと。

…いや、気にしないようにしている…。あ、いや……。

 ま、まあ、良いじゃないですか。


 なに? それじゃあ、分からない?

具体的には、どういうことかって?


 そうですよね……。では、そこからお話ししますね。




 私には、現在両親がおりません。

兄弟姉妹もいないし、家族は誰もいない…。

天涯孤独の身の上なんです。


 母は、私が一歳のときに病気で亡くなりました。

ですので、私には母の記憶がありません。

 その後は父に育てられましたが、その父も、私が中学二年の時に癌で亡くなりました。

 父方の祖父母は私が小学校に入る前に亡くなっていました(こちらも、あまり記憶にない…)ので、私は、母方の祖母に引き取られました。

その祖母は既に伴侶を無くしていた上に、子供は私の母だけ。山奥で一人暮らししていた人でした。

 そして、その祖母も大学二年の時に亡くなり、遂に私は完全無欠の一人ボッチとなったのです。


 ……身内が次々亡くなり、残されたのは私だけ。

「多喜」なんておめでたい苗字なんですが、名前はハルカ。

「多くの喜びは遥か彼方」なんて、酷い事を言った奴もいました。


 更には、私のことを死神だなんて言う奴も……。


 それ、酷過ぎませんか?

 確かに、この件自体はラッキーだとは思いません。

でも、人間は、必ず死ぬんですよ。

 たまたま、私の周りの人が、たまたま、少し早く逝ってしまっただけのこと。

 そう、たまたま。

そういうことも、ありますよね!

 それに、最後のお婆ちゃんは八十二歳だったんだから、別に早死にでもないし!



 あ…。その、死神と呼ばれたってこと。

これは、私の容姿も関係しているんですよね。


 実は、これが「かわいそう」と言われる最大の要因……。


 いや別に、超ブサイク~とか、超おデブ~とかじゃないですよ!

自分の事を「美人」だとは思いませんが、これもまあ、それほど悪くはないんじゃあないかと…。


 ですが……。

私の両親は、黒髪で、瞳も黒い色の生粋の日本人。

何代か遡っても、外国人の血は入っていません。

 なのに、私の髪は金髪。肌は真っ白。瞳は赤色……。


 私、先天性白皮症。つまり、「アルビノ」なんです。


 このせいで、気味悪がられて友達なんて殆ど出来ませんでした。

 その挙句に、まさか「死神」だなんて……。


 あのですね。古来、わが国では白い鹿や白い蛇やといったアルビノの動物は、霊獣と崇められたんです!

 そういったモノが現れるのは、瑞祥といって、目出度い事の前兆とされたんです!!


 何が死神よ! 失礼にも程がある!

 私は霊獣ならぬ、霊人! 超レアな究極ラッキーガールなんだから!

 私を崇めなさいよ!

 まったく、もう!!



 ……でも、つくづく思うのは、私、日本に産まれてよかったってことですね。

 アフリカだと、アルビノは殺されて食べられたり、呪術の材料にされちゃうなんてこともあるみたい。

 やはり、特別な力を持った存在とされていることによるものです。

高値で取引されるからって、アルビノ狩り何て事件も起きるんだって……。

 なんで、そんな怖いことできるのかな? 同じ人間なのに。


 私は日本に産まれて本当によかった。命を狙われるなんてことは無いから。

正真正銘、ラッキーだ。



 ということで、「レアなラッキーガール」って意味はお分かり頂けましたね。


 私は、「かわいそうな女」ではありません。

幸運を呼ぶ、ホワイトラッキーガールなんです。


 うん? もう「ガール」って年じゃないだろうって?


 ・・・。



 だから~! そういうとこを、突っ込まない!!










●●●●●御礼●●●●●


第一話、読んで戴き、有難うございました。

もし、少しでも、僅かでも、微かでも、

「応援してやっても良いかな」と思ってくださいました奇特な貴方様!

★評価やフォローを戴けますと、とっても嬉しいです~!!

レビューなんて書いてもらった日には、もう泣いて喜びます~!!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る