雪が積もったら全力で遊ぼう!
「雪だあああああぁぁぁぁぁ! 雪だ雪だ雪だ雪だ雪だ積もったあああああぁぁぁぁぁ!」
「予想はしてたが、朝からテンション最高値か、田中」
「イエス積雪! 一面の銀世界! 雪雪雪雪雪だぁぁぁ!」
「誰かなんとかしてくれ、もはや会話が成立しない」
「豪雪地帯で苦労している人、電車が止まっちゃった人、事故とか怪我とかで大変なことになっちゃった人、ごめんなさい! でも俺は雪が大好きだ! 狂おしいほどに! そう痛々しいほどに!」
「よく分かってるじゃないか、今の自分が他人からどう見えてるのか。ええい、とにかく落ち着け田中。まずその全身の雪を払ってこい。そして荷物を置いて着席しろ」
「あああ、そんな悠長なことしてられるかよ、山川ぁ! そりゃ、朝三時に起き出してこれまで遊び倒したけどな、それでもまだ全然足りないんだよ!」
「お前、五時間も一人で孤独に雪遊びしてたのか?」
「うん、そう。三時間くらい経ったところで、ふと我に返ったんだけどな。十秒でテンションが元通り復活した」
「あと一時間遊び倒して、また我に返ったら、ついでに現実にも帰ってこいよな」
「いや、だけど、STは出ないと。出欠取ってもらわないと」
「意外と現実に近いところで生きてるんだな、お前」
「でも流石に一人遊びにも飽きてきたから、次は大勢で遊びたい! 一時間目、体育に変えてくれないかなぁ。いっそ今週の体育の授業を全部、この一~三限に変えてくれないかな!」
「三時間も遊べるもんか? いや、五時間一人で遊んでた男なら軽いか」
「おう、軽い。軽石より軽羹より軽い」
「カルカンって名前の割には腹に重いよな、ってのはともかく。もし実現したとして、どうやって三時間も遊ぶんだよ。かまくらでも作るのか?」
「一時間目。ほのぼのわいわい、クラス内チーム対抗雪合戦」
「ああ」
「二時間目。国際ルールに則っての、選抜選手によるクラス対抗本格雪合戦」
「……あ?」
「三時間目。校舎内・校庭、及び、学校敷地内全域を行動可能範囲に設定した、全校対抗サドンデス雪合戦」
「この学校、本気になるやつ多そうで嫌だ」
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