他の部活動を応援してみよう!

「なぁ山川、お前の部活の大会っていつ?」

「テニス部の大会なら、先週終わったぞ」

「えええええ? なんだよ水臭い、終わる前に教えてくれよぉぉぉ!」

「なんでいちいち教える必要があるんだよ。お前、テニスに興味あったのか?」

「それほどでもないけど、山川の応援をしてやろうと思ったの! 熱いパフォーマンスとともに大会を盛り上げようと思ったの!」

「ふうん? さては、甲子園のテレビ中継でも見て感化されたな。言っておくが、テニスは鳴り物を使っての応援はNGだ。お前が憧れてるのは、スタンドで応援団や吹奏楽部がやるような派手な応援だろ」

「うわぁ、なんで分かった? 山川、実は妖怪サトリ?」

「せめてテレパシーと言え」

「サッカーの応援は賑やかだけど、選手は応援できないしなぁ。かくなる上はベンチ入りするしか……」

「応援したいが為にレギュラー落ちする気か。一応エースストライカーのくせに」

「俺だって試合は出たいから、こうやって他の部活に望みをかけてるんだろ。なぁ、うちの野球部は甲子園に行けなかったの?」

「言ってやるなよ、地方予選初戦敗退なんだから」

「ハンドボールは? 卓球は? バスケは? 水泳は?」

「全部活の夏大会結果を把握してるわけないだろ。部員に訊け」

「化学部は? 園芸部は? ミス研は? カバディ同好会は? なぁ!」

「何をどう応援する気だ」

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