学校の不思議を探ってみよう!~その3~

「続いてはぁ、第二の不思議の発表です。デデデデデデデデ……!」

「宝くじの当選番号発表か」

「♪ジャーン! 『走る生物室の骨格標本』~!」

「これまた、ありがちだな。真夜中の廊下を骨格標本が疾走するんだろ」

「そう、そのとおり。だがな、我らが高校の骨格標本ウィリアムは、そんじょそこらの標本とは一味違うぞ。何せ光速――光の速さで走るんだからな!」

「光速じゃ、誰の目にも骨格標本だと認識できないだろ」

「……あ、そうか。じゃあ音速で」

「『じゃあ』ってなんだよ、『じゃあ』って」

「マッハならいい?」

「音速とマッハは同じだ」

「百メートル走の世界記録保持者並み」

「極端に遅くなったな」

「あー、たかが人間レベルだもんなぁ。だったら、冥王星人並みとか?」

「冥王星人の平均走力ってどれくらいだよ。星自体の分類すら曖昧だっていうのに」

「ええと、ええと……い、一万ノットくらい」

「自力で換算できないくせに、よく知りもしない単位を無理に使うな。マッハ十五超だぞ。弾道ミサイルか」

「ああもう、いちいち文句が多いんだよ、山川! なんて言ったら納得するんだよ?」

「お前の作り話であることを認めれば納得するよ」

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