校内放送に耳を傾けよう!
「なぁ山川、さっき加村が教室から慌てて飛び出して行くのとすれ違ったんだけど、何かあったのか?」
「聞いてなかったのか、田中。さっき職員室への呼び出しの放送があっただろ」
「呼び出し? あいつ何かやらかしたの?」
「さあ。委員会の招集でも忘れてたんじゃないか」
「いいなぁ、加村。俺も呼び出しされてみたーい」
「なんだそりゃ。呼び出しなんて面倒事か説教か、碌なものじゃないだろ」
「呼び出し内容どうこうじゃなくて、全校放送で名前を呼ばれるのが、なんか羨ましいんだよ」
「俺はむしろ嫌だけどな」
「『ピンポンパンポ~ン! 2年4組田中君、2年4組田中君、今すぐ校舎裏までツラを貸しなさい』」
「何か恨みを買ったような覚えでもあるのか」
「『ピンポンパンポ~ン! 2年4組田中君、2年4組田中君……あ、あの、放課後に、校庭の桜の木の下で、待ってます……!』」
「そんな放送が流れたとしたら、多分、お前の妄想による幻聴だ」
「『ピンポンパンポ~ン! 2年4組田中君、2年4組田中君、職員室にてお連れの山川健悟君(十七歳)がお待ちです』」
「迷子センターか……って、俺が迷子?」
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