予習をしよう!

「山川~!」

「何だよ、田中」

「次の英語の訳、見せてくれ! 俺、次当たるんだよ、このあいだ高橋が当たったから」

「予測ができてるなら自分でやれよ。まだ休み時間なんだし」

「予測ができても訳ができないから頼んでるんだろ」

「いばれねぇよ。むしろ、お前が予習済みだったら先生が驚くと思うぞ」

「いいから、な! あとで3.6牛乳おごるから!」

「ったく、どこの訳だ?」

「ええと、前は『僕たちはゴミ問題について真剣に取り組まなければならない』までだったっけ。じゃあ、その続きから」

「ああ、ええと……『宇宙怪獣サンダバは、銀河系から遠く離れた星からやって来た。その口からは超音波が発せられ、その牙は岩をも砕く。赤く輝く目は暗闇でも全てを見通し、巨大な足は何もかもを踏み潰す』か」

「……おお~! サンキュー、山川! 流石だな、こんな難しい文をすらすらと!」

「まあな」

「じゃあ俺、席に戻るわ! 恩に着る!」

「お前が当てられる瞬間を楽しみにしてるよ」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る