離れの妹

バブみ道日丿宮組

お題:官能的な別居 制限時間:15分

離れの妹

『人を探してる。だから宿を提供してくれないか』

 そんな図々しい言葉で我が家に一人少年が突如としてやってきた。

 あくまでも俺目線で少年だと判断したが、実際は少女かもしれないし、青年かもしれない。ひん剥かなければそれはわからないが、何にしても突然やってきた赤の他人を泊めてやる義理はない。

 その他にも断る理由は山ほどあるが、容姿を見て考えを改め、離れ家に住まわせることにした。あそこなら何が起こったとしても外には出ない。

 ありがとうございますと少年は頭を下げて、その離れ家にいった。

「……」

 果たしてあの少年はそのままの状態で出てくるか、あるいは精魂果て『悪魔に食いつぶされた』状態なになるか。容姿に見合う価値はあるのか気になる。

「……あぁ、父さんに連絡だけは入れておかないと叱られるな」

 少年が離れ家に入った瞬間、セキュリティの音が響いた。

 再び出れるのは中にいた者が許可した時のみーーまずない。

 

 電話は2コール待たずに繋がり、許可は当然のようにすぐに出た。

 妹の世話をするのは兄として当然のことだし、妹に我慢に我慢を重ねて力を暴走させられても正直困るということだ。

 別居させてるならそんな大事に言葉を選ばなくてもいいのといつも思う。だが、父さんはそういう人だから仕方ない。俺に対しても実験材料の一部としか見えてないようだからな。

 ちなみに妹に我慢させると俺であってもなりふり構わず襲ってくるくらいだ。一応のセーブはしてるようだが、愛くるしい姿とは違って驚愕するまでの性欲といえる。

 一体何がそこまで狂わせたのかと父さんに問いただしたくなるが、あくまでも副産物として生まれた生き物という認識でしかない。

 人とは見てるが、家族としては見てない……いや逆か?

 何にしても生まれる前の遺伝子を弄った果てが異常な性癖現象らしい。ちなみに俺は脳のブラックボックス部分をより大きくしたらしい。

 だからなのか、これが普通と思えるのかもしれない。

 人間でないものを人間でないと見る。だが、家族としても見る。

 そういう意味じゃぁ、父さんはやっぱり俺の父さんだ。妹もそう思ってるに違いない。

「……」

 何にしても、少年にしてはやけに細くて少女にしてはやけに鋭い眼光を持った人間は、悪魔を制御できるのか……楽しみではある。

 妹にも友だちは必要だし、人を探してるなら妹の能力を当てにするのもいいだろう。

 だが、それまで少年が持てばの話になるが……。


 さぁ、どうなることやらーー。

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離れの妹 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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