バブみ道日丿宮組

お題:苦しみの血 制限時間:15分

 辛いから血を流す。痛いから血が流れる。じゃぁ、流れる血に痛みはあるの?

 諦めれば血など、人は流さない。

 一人しねば、もう一人死ぬから。誰かが死ぬことに誰も興味はない。自分だけの世界。家族も恋人も他人。死ねばそれはただの血。もはや自分以外。

 そんな連鎖反応を側で見てると凄く面白かった。

 ちくりと痛むのは、自分の血を使ってるからなのかは少しわからない。私がまだこの血を殺しに使うことに抵抗があるだけなかもしれない。

 そう思っても私はやめは、しない。

 苦しいことが生きてるを証明するから。

 私の血は、毒薬。

 例えば赤ワインに一滴入れれば、全員が口にして悶え死ぬ。

 私はそれをただ見る。一族が滅びたら、また次に。


 そんな連鎖反応を繰り返してたら、同じような血を持つ男の子に出会った。

 彼は血を飲ませると、どんな傷でも直せるという。聞いたことのない病も治した実績がある。彼を特集した記事に何か難しい病名が書いてあったから確かだ。

 私とは反対で綺麗な血だったーー苦しみのない血。

 

 本当にそうなのか、私は彼と出会うと、すぐに血を首筋から吸った。

 彼は苦しそうに地べたを転がりまわったけれど、すぐに静かになった。

 最もそれは睡眠という永眠とはまた別のことで、私が切りつけた傷は傷跡に変わってた。致命傷も彼にとっては自分自身でさえ、血が解決してしまうことがわかった。

 飲んだ私に何か変化があったのかと、通りかかったサラリーマンを誘惑しベッドの上から血を飲ませたら、やっぱり苦しんで死んだ。

 心臓から生み出される血は、彼の血でも治せなかった。

 残念だなと思いつつもベッドからすぐに起きて、施設内にいる人を全て苦しませ、カメラのデータを壊した後、彼に合流した。

 彼は私を咎めなかった。


 時に人は苦しみを求めるものだからーー。


 そう笑うだけだった。

 気に食わなかったけれど、なぜか彼の笑顔は心をぽかぽかさせた。

 だから、彼の旅についてくことにした。

 なぜ彼が苦しみを求めるっていったのかはすぐにわかった。

 彼は幸せを呼ぶ血を持ってるだけに、不幸な人に狙われてた。私が追われてなかったのは皆殺しにして、血は体の一部として消滅してたから……でも彼は違う。

 騒がれて、救世主扱いを受けてた。

 私はその妨害を苦しみで満ちた。


 あぁ、これが私の心臓の使い方なんだと、彼の側に居続けることを誓った。

 苦しみの安らぎが私の役目なんだって。

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バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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