第427話 水の魔道具と、魔道具屋へのお礼と、コンロ

 どんな魔道具を考えるかな。

 【われは内包する、魔法規則。かの者は目の前にいるウィルス。かの者をレベル1光魔法に受け渡し、魔法情報を受け取れ。魔法情報にあるもので、紫外線を発しウィルスを不活性化せよ。紫外線殺菌魔法】こんなのはどうかな。


 この世界の人はウィルスも紫外線も知識にないはずだ。

 ただし、100%病気に罹らないわけじゃない。

 あくまでウィルスを減らすだけだ。

 それに紫外線の浴びすぎも良くない。

 癌の原因だからな。


 この魔道具は水の浄化の魔道具と言って売り出した。

 光の毒だから、使っている光を浴びると良くないよと注意書きを添えてだ。


 ヒバに持っていくと微妙な顔をされた。


「これってどの程度効果がある?」

「まあ気休めより少しましな程度」


「水の濁りを取ったりできないのか?」

「ええと何魔法で?」

「水魔法だと新たに呼び出す。ちょっと違うか。分離魔法」

「分離魔法ってどういった理屈?」

「うん、ええと魔法で細かいアミを作って漉す」

「ゴミはなんとかなるけどウィルスとかは何ともならないな」


「そのウィルスってのが病気の素なんだよな」

「うんうん、熱で死ぬから、水を沸騰すれば大抵は平気。それと毒物を分離するのは難しい。毒物がかなり細かいこともあるから」

「水瓶に葉っぱや砂をすいて水を綺麗にするだろ。あのイメージ」

「あれだとゴミしか取れないよ」


 【われは内包する、魔法規則。水生成の命令をレベル3水魔法に受け渡し、魔法情報を受け取れ。魔法情報にあるもので、水蒸気から水を生成せよ。水生成】こんな感じしか出来ない。


 水を出す魔道具はよくある。

 水を水蒸気から出すから、汚染物質とかは少ないと思いたい。


「差別化をどう図るかだな」

「地中の水じゃないから、美味しくもないけど安全。地中はまれに毒とか含んでるからね」

「それは俺も知ってる。井戸を掘ったら毒の水が出て来たって奴だろ。鉱山近くとか火山とかに多いな」

「そんな感じかな」

「どうやって売るか」


「要はキャッチコピーを考えろって事だね。水蒸気だから天空の水とかどうかな」

「天空の水な。それで行こう」

「ただ火山とかは水蒸気にも毒が含まれている可能性がある」

「それは注意書きに書いとけば平気だ。転売する奴のことなんか考えないで良い」


 こういう世界だとそうなるよな。

 注意書きがあるだけましか。

 天空の水は売れた。

 そして、なぜか俺の水魔法のレベルが3から4に上がった。

 何もしてないのにだぞ。


「ヒバ、何もしてないのに魔法レベルが上がった」

「何だそんなことか。魔道具屋へのお礼だな。魔道具屋は討伐に出ないのに高レベルの魔法を使える人がいる。これは魔道具を作った人に魔道具を使うと経験値が僅かながら入るんだ」


 となると、魔道具を量産したら、その人は一挙に魔法が高レベルだ。

 俺はプログラム的魔法で魔道具を量産できる。

 チートだな。


 ただ火点けも水生成もありふれているから、作っても売れないんだよな。

 売れなければ使って貰えない。

 使わなければ経験値は入らない。

 画期的な魔道具が必要だ。


 火魔法ならコンロだな。

 火力調節できる火魔法は便利だろう。


level=int(input("火力を入力して下さい"))


if levle<1:

  level=1

if level>5:

  level=5


while 1:

  print("【われは内包する、魔法規則。火魔法が発動してなければ火魔法生成をレベル"+str(level)+"火魔法に受け渡し、魔法情報を受け取れ。魔法情報にあるもので炎を出せ。炎生成】")


 こんな感じかな。

 5段階火力調整付きコンロだ。


 これをヒバに見せたら、飛び上がって喜んだ。

 これを量産すれば、火魔法がうなぎ上りになるに違いない。

 そのもくろみは当たり、じわじわと火魔法が上がった。

 レベル6の火魔法はコンロには使えない。

 火力が高すぎるからね。

 もっと効率的に火魔法を上げるにはレベル6以上の魔道具を作らないといけない。


 武器はさすがにためらわれる。

 それにゴブリンクラスの魔石だとレベル6を使うとすぐに小さくなって消えてしまう。

 高い魔石で高いレベルの火魔法の魔道具。

 この条件に一致した物が望ましい。


 今は考えつかないが、暮らしていくうちに思いつくだろう。

 とりあえず、火魔法がレベル10まで上がったことを喜んでおくべきだろう。

 次は火魔法と併せて電撃魔法の魔道具とか考えたい。

 何か考えよう。

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