第317話 コイン製造と、闘貨と、試験

 さて、闘貨だ。


 まずは魔石の変形からだ。


extern void transform_coin(char *material,int material_size);


char magic stone[10];

void main(void)

{

 transform_coin(magic_stone,sizeof(magic_stone));

}


 魔石がコインの形になった。

 石とか鉄のコインも出来るな。

 そのバージョンの魔道具も作って、ディッブの国への贈り物にしよう。

 貨幣が流行るかも知れない。

 子供の遊び道具になってもいい。

 とっかかりが大切だ。


 お次はコイン型の魔石に入れる呪文だ。


#include <stdio.h>

#include <stdlib.h>

#include <string.h>


extern void mystery_magic_name_get(char *str);

extern void mana_circulation(char *mana,int mana_size);

extern void fighting_spirit_suppression(char *str,int level);


char mana[100];


void main(void)

{

 char str[256+5]; /*神秘魔法名の格納場所*/


 mystery_magic_name_get(str); /*神秘魔法名ゲット*/

 strcat(str,".body"); /*神秘魔法名に『.body』を連結*/


 while(1){

  mana_circulation(mana,sizeof(mana)); /*マナを循環させる*/

  fighting_spirit_suppression(str,sizeof(mana)); /*闘争心を抑制*/

 }

}


 これは100闘貨。

 自然界の魔力100を循環させる。

 循環させると共に闘争心を抑制。


 アドレナリンとしなかったのは、脳内物質を迂闊に弄れないのだ。

 闘争心は脳内ホルモンの調整のイメージにしたから、世界システムが上手くやってくれるはずだ。


 循環させる魔力が増えると、闘争心は抑え込まれていく。

 強くなればなるほど、争わなくなるのだ。


 マイラとリニアにも試しに闘貨を使ってもらう。


「別に変な感じはしないね」

「私も」


「テストですわ」


 そう言ってレクティが俺に抱きついた。


「悔しいけど、いつもよりましな気がする」

「ええ」


「なるほど張り合う気持ちが薄れるんだな」

「でもムカムカしてきた」

「私も」


「もっと闘貨を装備だ」


 マイラとリニアに闘貨をさらに装備させた。

 マイラが石を拾うと握りつぶした。

 リニアもだ。


「あー、すっきりした」

「私も」


 これはちょっと、闘争心の釣り合いが変になって、その攻撃力が俺に向かうと大惨事だな。

 なんというか諸刃の剣的なアイテムだ。

 ハーレムのごたごた抑制には使えないようだ。


 でも効果は認められた。

 とりあえず、無料で多数ばら撒いた。


 闘貨によって、ディッブ人の争いは減ったように思う。

 だが0にはならない。

 闘争心0の人間は何もしなくなるようになると思うから、仕方ないのかも知れない。

 必要悪みたいなものだ。


 マイラとリニアは闘貨を使わないようだ。

 セレンとレクティは興味を示した。


「これ、闘争心抑制ではなくて、冷静になるとしたらどうですか」

「やってみるか」


 魔法の『fighting_spirit_suppression』を『calmly』に変える。


 セレンに装備してもらった。


「テストですわ」


 レクティが俺に抱きつく。


「どういう仕返しをするかの案が無数に浮かんで来ます」

「おう、これは物騒だな」


「部下に使わせて下さいませ。間諜には戦闘力と冷静さが必要です」

「分かった。神秘魔法名を固定にして、持ち主本人しか使えないバージョンを作るよ」

「助かります」


「離れて下さい。いつまでくっ付いているんですか」


 セレンが俺からレクティを引きはがした。

 セレンの顔には怒りがない。


「次は私の番です」


 セレンが俺に抱きつく。

 腕時計で時間を計っている。

 そして、離れた。


「私の分は終わりました。マイラさんと、リニアさんもどうぞ」


 本当に冷静だな。

 これはこれで気味悪い。

 やっぱり感情を操作するのは良くないようだ。


 今後は問題ある人物だけにしておこう。

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