第315話 万歩計と、木人と、物は奪うもの

 ディッブ人が欲しがる物として、作りだしたのは、車のメーターみたいな魔道具。


#include <stdio.h>

#include <stdlib.h>

#include <conio.h>


extern void distance_reset(void);

extern void average_speed_reset(void);

extern int distance(void);

extern int average_speed(void);

extern void time_wait(long time_ms);


void main(void)

{

 distance_reset(); /*距離リセット*/

 average_speed_reset(); /*平均速度リセット*/

 while(1){

  printf("距離は%d 平均速度%d\n",distance(),average_speed()); /*距離と平均速度を表示*/

  time_wait(100); /*1秒待つ*/

  if(kbhit()) break; /*何か入力されたら止める*/

 }

}


 万歩計みたいな感覚で作ったけど、それなりに受けた。

 トレーニング機器が受けるみたいだ。

 これをたたき台として、新たに付け加えた要素はゲーム性だ。

 距離がある長さになると称号が貰える。

 平均速度が下がると叱咤激励されたりもする。


 とうぜんミカカ語対応にしたところ、大変に喜ばれた。

 トレーニング機器を開発すればいいのが分かった。

 それもゲーム性があるとなおいい。


 次に開発に取り掛かったのはパンチングマシーン。

 幻を殴るとダメージが表示される。

 たまに幻も反撃してくる。


 イメージは痛くない木人だな。


#include <stdio.h>

#include <stdlib.h>

#include <conio.h>


extern int punching_power_check_kg(MAGIC *mp);

extern void mclose(MAGIC *mp);

extern int touch(MAGIC *mp);

extern MAGIC *obj_make(long obj_size_mm,int image,int attri);


void main(void)

{

 MAGIC *mp,*mpa; /*魔法定義*/

 int punching_power=0; /*パンチ力*/


 mp=obj_make(200,IMAGEDOLL,HOLOGRAPHY); /*2メートルの人形をホログラフィで生成*/

 while(1){

  punching_power=punching_power_check_kg(mp); /*パンチ力読み取り*/


  if(punching_power!=0) printf("%dダメージ\n",punching_power); /*パンチが当たったら表示*/


  if(rand()%10000==777){ /*ランダムで発動*/

   mpa=obj_make(20,IMAGEHAND,HOLOGRAPHY); /*20センチの手をホログラフィで生成*/


   while(jab_move(mpa)){ /*ジャブの動き*/

    if(touch(mpadd)==1) printf("ミス\n"); /*触られたらミス*/

   }

   mclose(mpa); /*手を消す*/

  }


  if(kbhit()) break; /*何か入力されたら止める*/

 }

}


 たたき台としてはこんなところだ。

 マイラにやらせてみたら、ジャブがこない死角に潜り込まれて、勝負にならなかった。

 ジャブを出す向きを相手の方向へ向けないと。

 その他ゲーム要素もいくつか付けて完成。


 ディッブ人はこれらの魔道具を欲しがった。

 これで交易でも始まって仲が良くなると良いんだけど。


「コイカ・ラミ・モチキニソ・カララリト・チミシ・テニミ」

「リッツ、何だって」

「魔道具を賭けて勝負だと言っている」

「交易しろと言ってやれ」

「カスチシイ」

「テクン」


「今のは雰囲気で分かった。何故だと聞いているんだな。なんでそういう思考になる」

「たぶんだけど。物は奪う物だからじゃないかな。ほんとうに欲しい物は戦って勝ち取ると思っていると思うよ」


 くそっ、蛮族が。

 なんでこんなにも頭が固いんだ。

 欲しい物があったら、普通は交易するだろ。


 魅力的な商品を開発しても無駄なのか。

 上手くいかないものだ。

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