第229話 マッサージ店と、三毛猫温泉と、精神魔法

 マッサージ店に行った。

 エッチな奴じゃない。

 俺の直営のマッサージ店だ。

 元犯罪組織の男達がやっている。


 マッサージ店は流行ったのだが、賭場にしたいと元締めがいったので、大半を賭場にした。

 だが元の建物が娼館だったりすると、マッサージ店の方が良い。

 なので残してあるんだ。


「いらっしゃい」

「別に凝ったというわけじゃないけど、やってもらえるか」


 盗聴器関係で精神的に張りつめているから、少しリラックスしたいと思ったのだ。


「へい」


 全身を揉まれ、何となくリフレッシュした感じ。

 こういうのもたまには良い。


 一瞬、温泉という言葉が浮かんだが、4人がついて来るだろうなと思い直した。

 一人旅するか。

 空を飛んでいけば、温泉のある街まですぐだ。

 よし、行こう。


 浮遊する板に飛び乗ると、ダイナが飛び乗ってきた。


「護衛ですので、抜け駆けは困ります」

「仕方ないな」


 4人には内緒で、ダイナお薦めの猫がいる湯治場に到着。

 その名も三毛猫温泉。

 足湯みたいなのに猫達が浸かっている。

 猫って、お風呂が嫌いなんじゃなかったのか。


 変わり者はどこにでもいるか。

 濡れた猫は物凄く細く見える。

 ダイナは服が濡れるのも構わず猫を足湯の中でマッサージ。

 うっとりした表情の猫は幸せそうだ。


 俺は宿をとって、温泉に入った。

 ふぃー、こういう時間も良いな。

 書斎を作るのもいいな。

 元バリアブル邸は広いから、作れるだろう。

 寮から移り住む事も考えた。


 寮は俺達以外も住んでいる。

 それでマイラ達に歯止めが利いているとも言える。


 元バリアブル邸は駄目だ。

 考えるに俺は秘密の隠れ家が欲しいんだ。


 寮に地下室を作ろうかと考えたが、地下室は湿気る。

 リラックスできる空間とは言い難い。


 明るい陽射しでぽかぽかなサンルーム。

 良いね。

 俺だけの空間として、寮に作るか。


 4人を立ち入り禁止にするのは、骨が折れるな。

 なんて言おう。

 一人の空間が欲しいんだと素直に言おうか。

 駄目だ。

 絶対にマイラとか入って来る。


 ルールは破る為の物とか考えてそうだからな。

 のぼせてきた。

 鼻血出そう。


 温泉から上がって寝台でくつろぐ。

 ええと、マイラを締め出す方法。

 入口に魔法を掛ける。

 ホログラフィじゃ突破されるのは目に見えている。


 扉に鍵も役に立たないだろうな。

 マイラが雇った密偵は、鍵開けぐらい出来るはずだ。


 精神魔法の類は見た事がない。

 ないのは精神がどういう物か分かってないからだ。


 ニューロンと電気信号と化学物質。

 だいたいこんな要素だろう。


 それに扉を疑似生命体にして、姿隠しを掛ける。

 こんな感じでどうだ。


 穴が幾つかあるな。

 他人の魔力は反発する。

 精神魔法は許可がないと掛からない。

 それを回避する魔法を付け加えて、



#include <stdio.h>

#include <stdlib.h>

#include <conio.h>


extern MAGIC *spirit magic(void);

extern void can_not_see_door(MAGIC *mp);

extern int mclose(MAGIC *mp);


char myra_mana[1000]; /*マイラの魔力*/


void main(void)

{

 char my_mana[1000]; /*自分の魔力*/

 int i; /*カウンター*/


 MAGIC *mp;


 while(1){


  for(i=0;i<1000;i++){ /*魔法拒否回避*/

   myra_mana[i]=my_mana[i]; /*マイラに自分の魔力を入れる*/

   my_mana[i]=0;

  }


  mp=spirit magic(); /*精神魔法*/

  can_not_see_door(mp); /*見えないドア*/

  if(kbhit()) break; /*何か入力されたら止める*/

 }

 mclose(mp); /*魔法終わり処理*/

}


 マイラ限定の魔法だが効果はあるだろう。

 よし、帰ってサンルームだ。


「酷い。置いていくなんて。ダイナと三毛猫温泉に行ったでしょ」


 帰ってきたらマイラになじられた。


「なんで行った場所が分かったんだ?」

「私に密偵がいるの忘れた?」


 マイラの密偵は優秀だな。

 空を飛んで行ったんだぞ。

 とうぜん走るより早い。


「次は連れて行くよ。今回は下見だ」

「絶対だよ」


 温泉に一緒に入ろうとか言いだすに違いない。

 でもそこは下調べしておいた。

 混浴の所はないので、一安心だ。

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