第192話 卒業式と、会長就任と、婚約式

 あっと言う間に学園の行事が過ぎていく。

 大掃除。

 魔法舞踏祭。

 試験。

 本当にあっという間だ。


 今日は卒業式。

 エミッタとアキシャルが卒業する。

 俺達おも研のメンバーは花束を持って、会場の外で待ち構えた。


 出て来たようだ。

 パンパンと音がして紙吹雪と紙のリボンが飛び散る。

 クラッカーの魔道具だ。

 この日の為に作った。


「「「「「卒業おめでとう!」」」」」


「ありがとう、爆発の楽しい使い方をしてくれて、嬉しいのだ」

「ありがとう、花束は人にあげても貰っても嬉しいね」


 エミッタとアキシャルも卒業か。


「おもしろ魔法研究会の新しい会長はタイト君に、副会長はセレン君にお願いするのだ」

「精一杯やらせてもらうよ」

「頑張るわ」


「そんな気を張る必要はないのだ。面白く楽しくやるのだ」

「分かったよ」

「ええ」


 気がかりだったペストマスクの連中は出て来ない。

 沢山殺したから、打ち止めになったかな。


 まだ魔導師は沢山いる。

 違う奴らが出てくると思っていたが、ここ4ヶ月は音沙汰がない。


 卒業の祝いのパーティは学園が主催する。

 在校生は出られない。

 それにエミッタとアキシャルは結婚すると言っていた。

 新婚さんを邪魔しても悪い。


 俺達は5人で忘年会を開いた。


「婚約式は何時やるんですか」


 レクティがそう聞いてきた。

 めんどくさいな。

 結婚式もだが、俺は女性側の楽しみのような気がする。


 だが、めんどくさいなんて口にすると、実家に帰らせてもらいますぐらい言いそうだ。


「王族なんだから、王宮で盛大にやろう」

「それは良いですね。一生の記念になります」


 準備の大半はランシェに丸投げしてやろう。

 こっちだって色々と手伝ったのだから、こういう時こそ手伝ってもらいたい。

 ランシェに任せておけば王宮の大広間も使用できるに違いない。


「ピンクのドレスが着たいなぁ」


 そうマイラが憧れの眼差しで言った。


「4人とも、好きなドレスを作って良いぞ。金なら腐る程ある」

「じゃあ、私は純白」

「ダイヤモンドをちりばめたのが良いな」

「わたくしは青ですね。できれば、王族のみが許されるロイヤルブルーがいいですね」


「任せとけ」


 交渉はランシェに丸投げだ。


「正妻はどなたかに決めまして?」

「それね。正妻は決めない。みんな同列に扱う。誰か一人にという時は出会った順番だ」

「そうなると、マイラさん、セレンさん、わたくし、リニアさんの順番ですね」

「そうだ」


「ではマイラさんが第一夫人になりますが」

「その呼び方は好きじゃないな。屋敷を構える時は四季辺りで呼びたい」

「では、マイラさんが春の方、セレンさんが夏の方、わたくしが秋の方、リニアさんが冬の方ですね。リニアさんのイメージが悪そうですが」


「私は気にしないよ。冬は死のイメージがあるからちょうど良い。ぴったりだと思う」

「納得されているのでしたら構いません」


「ほわぁ、春の方。おも研の新入生が入ったらそう呼ばせよう」

「私はちょっと恥ずかしいな。夏の方なんて呼ばれたら、真っ赤になりそう」


「気に入らなければ、別の名前を考えさせるさ。マイラ、元締めの所に行こう」

「ぶすっ」

「悪かった春の方、一緒に行こう」

「喜んで」


 マイラは春の方の呼び名が気に入っているようだ。

 だが、すぐに飽きるだろう。


 元締めの所に顔を出した。


「どう、ウイルス付きの魔力アップ魔道具は?」

「売れてるぜ。金貨100枚の値段だってのにな」

「変死の情報はどうかな」


「貴族にぼちぼちと出ている。平民の情報は入らないから分からん。魔導師は秘密主義だから一層分からん」


 貴族で死んだのは魔導師の奴らだろうな。

 魔導師は貴族になれない決まりだが、この罪で告発された事はない。

 取り締まっているのは影ぐらいだろう。

 たぶん貴族魔導師の極悪人は暗殺しているはずだ。


 魔力アップの魔道具は魔導師に受けそうだが、他のも考えないと。

 ああ、そうだ。

 治療の魔道具がいいな。

 魔導師は治療の仕事を高額で請けている。


 プログラム的魔法は効率が良い。

 一日に何千人と治療できれば、使いたいはずだ。

 よし、ウイルス付きの治療の魔道具を売ろう。


 神秘魔法名を使った治療は不味いが、普通の治療も前に作ってある。

 神秘魔法名とは治療のプロセスが違うから、問題も起きないだろう。


「元締め、分からないように噂を流してほしい。魔導師だけ罹る病気が流行っていると。噂を流す時に尻尾を掴まれるなよ」

「それなら、情報屋を使おう。情報の出元を分からないように、あいつらに流すのは容易い。あいつらガセでも、顔を隠していても、情報を買うからな」


 くくっ、これで魔道具が原因だと気づかれ難くなるに違いない。

――――――――――――――――――――――――

『ガチプログラム』コレクション紹介

リンク

https://kakuyomu.jp/users/455834/collections/16817139554789723084

――――――――――――――――――――――――

異世界で俺だけがプログラマー~転生して蘇った前世の知識は魔王級。家族には捨てられたけど、世界法則には気に入られた気がする。帰って来てくれと言われても、もう遅い。プログラム的呪文で最強無双~


 言わずと知れた一作目。

 100万PV、☆1500、フォロワー4500を獲得しています。

 本作です。

――――――――――――――――――――――――

異世界で俺だけがアプリ開発者~馬鹿貴族を殴って街の門番になった近衛騎士。足税回収率100%を続ける事10年。徴税の力で最強になりました~


 アプリの力で成り上がれ。

 貧乏領地、開拓記。


https://kakuyomu.jp/works/16817139556168137292

――――――――――――――――――――――――

異世界で私だけが『あんっ♡そこっ♡ポーション屋』です~普通、異世界転生で女の子の体だったら、エッチな事するよね。魔法やポーションもそういう目的に使うはず。最強無双もするけどね~


 TSエロ。

 エロいプログラム的ポーションを開発せよ。

 悪党退治もするけどね。


https://kakuyomu.jp/works/16817139554786372924

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る