異世界で俺だけがプログラマー~転生して蘇った前世の知識は魔王級。家族には捨てられたけど、世界法則には気に入られた気がする。帰って来てくれと言われても、もう遅い。プログラム的呪文で最強無双~
第174話 復学祝いと、おしくらまんじゅうと、毒
第174話 復学祝いと、おしくらまんじゅうと、毒
「リニア君の復学祝いをするのだ」
おも研の部室でエミッタそう言い始めた。
反対する人はいない。
満場一致で行く事になった。
場所は酒場。
エミッタとアキシャルとリニアは成人しているため、堂々と酒が飲める。
残りの俺達はジュースだ。
「ではリニア君の復学を祝って乾杯なのだ!」
「乾杯!」
乾杯をしてみんなで料理を突く。
やっぱり、リニアは大食漢だ。
みるみる料理が消えていく。
リニアはセレンと話して込んでいる。
時々、意味ありげな視線を俺に向けて来るのは何でだろう。
俺はレクティとマイラに挟まれて座っていた。
「しっ、しっ」
マイラが追い払うようなしぐさをする。
リニアがニターっと笑った。
「私、酔っちゃった」
リニアが千鳥足で歩いてきて、強引に俺とマイラの間に入り込んだ。
「私も酔いました」
セレンがそう言い千鳥足で歩き、レクティと俺の間に入り込んだ。
狭い。
狭いよ。
「セレンさんは、お酒を飲んでおられなかったようですが」
そう言ってレクティがぴしゃりとセレンの手を叩いた。
マイラを見ると、リニアにビンタしようとして防がれていた。
何だこの修羅場は。
助けを求める視線をアキシャルに送ると、アキシャルはウィンクして視線をそらした。
エミッタに助けを求めると、かえってややこしくなりそうだ。
俺はテレポートの魔法を使った。
脱出成功。
そしたら、次の瞬間、4人に囲まれていた。
「魔王からは逃げられない」
リニアがそう言って、俺に腕を絡める。
「タイト、もてもてなのだ。結婚式には呼んでほしいのだ」
エミッタがそう言って茶化す。
くそう味方がいない。
護衛のダイナは冷めた目でこちらを見ている。
「そろそろ、お開きにしよう」
俺の提案でお祝いはお開きになった。
「彼女の料金は彼氏が払うのだ」
「払うよ。払えばいいんだろう」
金は沢山あるから、こんな居酒屋の代金ぐらい痛くない。
「歩きにくいから離れて」
「駄目。タイト成分補給中」
とマイラが言って抱きつく腕に力が入った。
「じゃあ私も」
全方位が膨らみしかない。
「お客さん、ここは健全な酒場でして」
娼婦が接客する酒場があるらしい。
この間、カソードに聞いた。
くそう、これでは俺がそういう店を利用していると思われるじゃないか。
この店に来づらくなる。
料理が美味かったので、また来たいと思っていたのに。
「すいません。婚約者なんです」
「それでもルールは守ってもらわないと」
「みんな、離れて!」
渋々と4人が離れる。
俺達は代金を払って酒場を後にした。
繁華街の外れに来た時に前後に白衣の集団が現れた。
ペストマスクみたいな物を付けている。
「裏切り者に鉄槌を」
ダイナとマイラとリニアが構えを取る。
白衣の集団は噴霧器みたいな物で何かを噴出した。
毒感知魔法を発動する。
毒だ。
「僕に任せておきたまえ。【花よ咲きほこれ】」
アキシャルが石の花を咲かす。
毒の霧が晴れていく。
「植物にはね。清浄作用があるのさ」
それって作り物の花だろう。
そう突っ込みを入れたかったが、アキシャルだからな。
前に花で血を吸い上げたのも驚いたけど、植物を再現しているなら、何となく納得だ。
白衣の男達は不利を悟って引き上げた。
追い打ちは掛けない。
毒で反撃されるとも限らないからだ。
毒対策が必要だな。
食事は毒感知魔法で安全だけど、戦闘はそうもいかない。
裏切り者と言っていたから、あの集団は魔導師の一味だな。
リニアの顔を見ると怒りが現れていた。
「リニア君は、まだ命を狙われているのかね?」
「やつら、しつこいから」
「帰ったら、毒対策の魔道具を作るよ」
「それは是非、オルタネイトにも卸してもらわないと」
「オルタネイトもあの集団と戦っているのか?」
「いいえ、毒を安全に使うためです。毒が厄介なのは使用者も危険だという事です」
「そう、ほどほどにね」
「ええ、使用は極力控えます」
「レジスタにも配備させて」
「ああ、リニアはレジスタに入ったんだったっけ。いいよレジスタの分も用意する」
「タイト、足りないよ」
「マイラ、何が足りないんだ?」
「毒は毒をもって制すよ。こっちからも毒攻撃を仕掛けるの」
うーん、安全に毒攻撃をするには、注射だな。
それだと接近戦になる。
注射器を取られてこっちに使われたらやばい。
麻酔銃みたいな物もあるけども。
待てよ。
俺は物凄く凶悪な事を考えた。
これは白衣の集団以外に使わない事と、心に誓う必要があるな。
さあ帰って、魔法を作ろう。
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