第150話 露店と、パンチングマシーンと、景品

 世間は年が明けて2月。

 建国祭を迎えていた。

 学園でのレジスタと魔導師のいざこざは続いている。

 サイリスが倒されるまではどうやら事態は鎮火しないようだ。


「おも研は建国祭で、露店をやるのだ」


 去年は露店を冷やかして回ったけど、今年エミッタは露店をやる側に回るようだ。

 そんな気分じゃないんだけどな。

 気分転換も悪くないか、そう思い直した。


 みんな意見を出したが、露店の案は決まらない。


「リラ、スカッとしたいな」

「それは良いのだ。みんなスカッとする案を考えるのだ」


「花の匂いの利き比べ。僕のお勧めさ」


 そうアキシャルが言った。


「花束で殴り合ったら、スカッとするね」


 そうマイラが手で花束を振るジェスチャーを見せて言った。


「野蛮だよ。美しさの欠片もない」


 アキシャルがそう言って嘆く。


「要はストレスを解消したいって事か。殴った強さを数値化するなんてどうかな?」


 みんな、頷いた。


「決まりなのだ。名前は何にするのだ」

「それはパンチングマシーンしかないでしょ」

「タイトのいう通りなのだ。それしかないのだ」


 じゃあ作りますか。


#include <stdio.h>

#include <stdlib.h>

extern MAGIC *obj_make(long obj_size_mm,int image,int attri);

extern int punching_power_check_kg(MAGIC *mp);

extern void speak(char *ss);

extern void magic_delete(MAGIC *mp);

extern int mclose(MAGIC *mp);

extern void time_wait(long time_ms);

void main(void)

{

 MAGIC *mp; /*魔法の定義*/

 int punching_power=0; /*パンチ力*/


 mp=obj_make(900,IMAGEDISK,MAT); /*30センチのマットを生成*/


 while(punching_power==0){ /*パンチされたら読み取りを辞める*/

  punching_power=punching_power_check_kg(mp); /*パンチ力読み取り*/

 }

 if(punching_power<50){

   speak("お前の力はこんなものか"); /*音声を流す*/

 }

 else{

  if(punching_power<100){

   speak("なかなかやるな"); /*音声を流す*/

  }

  else{

   if(punching_power<200){

    speak("ぐわーやられた"); /*音声を流す*/

   }

   else{

    if(punching_power<300){

     speak("くっ、無念"); /*音声を流す*/

    }

    else{

     speak("俺が倒されても第二第三の俺がいる"); /*音声を流す*/

    }

   }

  }

 }

 printf("%d",punching_power); /*結果を表示*/

 magic_delete(mp); /*マットを消去*/

 mclose(mp); /*魔法終わり処理*/

 time_wait(10*1000); /*10秒待つ*/

}


 こんなのでどうだ。


「もう出来たのかね?。ではさっそくなのだ」


 エミッタがマットを殴る。

 『お前の力はこんなものか』と音声メッセージが。


「くぅ、悔しいのだ。もう一回なのだ」


 魔道具を操作して的であるマットを出す。


「【爆発】」


 エミッタはスペルブックを開いて爆発を起こした。

 『俺が倒されても第二第三の俺がいる』と音声メッセージが。


「スカッとしたのだ」

「それは反則だから」

「会長、今度部室で爆発を起こしたら、くすぐりの刑にしますよ。いくら温厚な僕でも限度があります」


 そうアキシャルがたしなめる。


「悪かったのだ」


「音声メッセージで景品を変えたら良いと思う」

「では僕は魔法で作った花を用意しよう」

「俺はぬいぐるみと魔道具かな」


 と俺が言った。


「では私は魔法陣ラジオを」


 そうレクティが申し出た。


「5種類、必要だから、あと一つだな」

「リラが靴ベラを提供しようかなっと」


 リラが出して来た靴ベラを見る。

 黒い素材で出来ている。

 何で出来ているんだ。

 ツルツルして靴ベラにはちょうど良い素材だけど、何で出来ているのか分からない。

 プラスチックとは違う。

 でも似たような感じだ。


「これは何で出来ているんだ」

「アトラクションのお土産。いっぱいあるの」


 どこかのお土産か。

 なら気にする事もないか。

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