異世界で俺だけがプログラマー~転生して蘇った前世の知識は魔王級。家族には捨てられたけど、世界法則には気に入られた気がする。帰って来てくれと言われても、もう遅い。プログラム的呪文で最強無双~
第140話 魔法陣機器と、調節の仕組みと、魔力電池
第140話 魔法陣機器と、調節の仕組みと、魔力電池
レクティの案内で魔法陣機器の店に到着した。
中に入ると色々な形の品物がある。
箱型の見覚えのある奴は魔法陣ラジオだ。
何タイプかあるがどれも銅貨10枚ほどの値段だ。
ショーケースに分解した魔法陣ラジオが展示してある。
3つのパーツから成り立っている。
受信部、増幅部、スピカ―部。
受信する周波数は固定だ。
局が1つしかないからな。
今はこれで良いだろうが、そのうち周波数を調整するパーツが必要になるな。
増幅も一つではなくて2つ3つと重ねる必要がある。
それにボリューム調整もだ。
調整の操作をする魔法陣はまだ開発されていない。
ここは店員に話をしてみるか。
「ラジオの音量を操作する魔法陣は作れないのかな」
「ここだけの秘密ですよ。もう開発は終わってます」
「どんな仕組み?」
「魔法陣の出力を上げるのはどうしたら良いか知ってますか」
「有効成分を濃くすれば良いんだ」
「ええ、そうです。しかし、それには限界があります。ラジオの放送局を見学した事がありますか?」
「ないな」
「ラジオの放送局は出力を上げる為に、大邸宅の庭ほどの大きさの魔法陣を使ってます」
「力技だな」
「ええ、ラジオの音量もこの原理で調整できます。大きさの違う増幅の魔法陣を用意して、切り替えるのです」
「なるほど。それは簡単で安くできる」
聞いてみたら簡単だった。
局の選択も魔法陣を切り替えれば良いのか。
歯車で対応できそうだ。
俺は可変抵抗だと可変コンデンサだとかの魔法陣を開発したのかと思った。
ローテクだけど魔法陣を切り替えるのは理にかなっている。
俺は魔法陣ラジオをいくつか買った。
次の商品を手に取る。
魔法陣水筒だ。
水筒に魔法陣が書いてある。
魔力を流すと水筒に水が溜まる仕組みだ。
これも安いのは銅貨10枚ぐらいの値段だ。
高いのは金属製だな。
持ってないから沢山買う事にした。
次の商品は魔法陣マッチだ。
鉛筆より細い枝の形をしている。
この先に火が灯るのだな。
金属で出来ているから銀貨1枚と少し高い。
これも持ってないから、いくつか買っておこう。
次の商品は魔法陣ライトで、懐中電灯そっくりだ。
これも銅貨10枚だ。
握ってないと光が消えますと書いてある。
常時魔力を注いで動かすようだ。
買いだな。
次は魔法陣腕時計。
注意書きがある。
身に着けていないと止まりますだって。
ライトと一緒だな。
これも買いと。
次の商品はコマとパチンコ。
玩具のようだ。
お試しくださいと書かれていたのでコマを手に取り魔力を流す。
コマがしばらく回転する。
そっと机の上に置くとしばらく回った。
紐が要らないコマってわけだ。
前世のコマより優れているな。
前世では電池式も有ったが、電池交換の必要もないし、シンプルさで勝ちだな。
パチンコは、魔力を通すと木の駒が飛んだ。
ウッドバレットの魔法と一緒だな。
人に向かって撃つと危ないと思うが、PTAとか消費者庁とか存在しないからな。
魔法がある時点で、よく言い聞かせられていると思うから、大丈夫だろう。
玩具もいくつか買っていくか。
「これ、組み込んでみたい」
マイラが木片に魔法陣が書かれた物を店員に見せる。
「特注ですか。承ります」
店員はマイラに話を聞いてテキパキと魔法陣をライトに組み込んだ。
マイラがライトに魔力を流す。
手を離したが光は消えない。
「画期的です。これはオルタネイト伯爵に報告しないと」
ええと、分かったぞ魔力電池の魔法陣を作ったんだな。
俺が作ったテスターに魔力を測るのもあったから、それで発見したのだろう。
魔法陣は大きさに比例するんだったな。
車ぐらいの大きさの魔力電池の魔法陣を作れば、車とか動かせられるかもな。
魔法陣は平面だから、重ねられる。
高性能にする方法はいくらでもありそうだ。
これからは性能の良い魔力電池開発にしのぎを削るようになるかも。
マイラの発想は凄いな。
無限の組み合わせから、有益な物を生み出している。
「マイラはよく思いつくな」
「幼い頃の遊びが、木っ端を使った積み木みたいな遊びしかなかったから。組み合わせが瞬時に頭に浮かぶの。その中で今まで発明された図形を排除して、面白そうな図形を魔法陣にしただけ。最近、図形から何となく意味が分かる気もする」
マイラは天才だな。
魔法陣から言葉みたいな意味を受け取っているのかも。
プログラマーもぱっと見すればどういうプログラムか何となく分かる事がある。
きっと経験と才能だな。
それに、今日は良い買い物をした。
銅貨10枚ぐらいだとコレクションしたくなるな。
収納魔法の肥やしになりそうだ。
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