第64話 お笑い/コメディと、笑わない俺と、やっぱり笑わない俺

「タイトってあんまり笑わないね」

「そうだね。性格かな」

「はい、タイト先生。タイトが笑える面白い魔法を希望します」


 いくら魔法が万能でもこればっかりはなぁ。

 笑いと言えばお笑いとコメディだけど。

 種が分かっているのだったら自分では笑えない。


 ランダムに何か表示するのも笑える組み合わせが出て来るまで待つのはなぁ。

 そう言えば前世で誤変換して、思いっ切り笑った事がある。

 作ってみようか。


#include <stdio.h>

#include <stdlib.h>

extern int word_count(char *text);

extern char *cut_word(char *text,int count);

extern void word_shuffle(char *word);

extern int option_count(char *word);

extern char *convert(char *word,int count);


void main(int argc,char *argv[])

{

 int member,i,j; /*語数とカウンター*/

 char *ss; /*切り出した語句*/

 member=word_count(argv[1]); /*語数を割り出し*/

 for(i=0;i<menber;i++){ /*語数の数だけループ*/

  ss=cut_word(argv[1],i); /*語句を切り出し*/

  if(rand()%10==0) word_shuffle(ss); /*十分の一の確率で語句の中身をシャッフル*/

  j=rand()%option_count(ss); /*変換の候補数から候補をランダムに選ぶ*/

  printf("%s",convert(ss,j)); /*変換して表示*/

 }

}


 こんなのでどうだ。

 よし試してみるぞ。


 『せんせいはようじができたのでごごのじゅぎょうはきゅうこうします』と打ち込んだ。

 『先生は幼児が出来たので午後の授業は急行します』か。


 うん、子供が出来たらそりゃ急行するよな。

 正解は『先生は用事が出来たので午後の授業は休講します』だ


 『おつかれさまです。かんりぶのあらいです』だな。

 『お疲れ様です。寒ブリの新井です』か


 『かんりぶ』の単語の中身がシャッフルされて寒ブリになっちゃったんだな。

 寒ブリがお疲れ様なんて言って来たらホラーだな。

 笑えない

 正解は『お疲れ様です。管理部の新井です』だ。


 次は『がいようについてほうこくさせていただきます』だ。

 『胃が酔うに付いて呉邦国させて頂きます』


 意味が全然通らない。

 胃が酔うのはまあいいとして呉邦国ってなんだ。

 分からない。

 でもランダムだからな。

 こういう事もある。

 正解は『概要についてご報告させて頂きます』だ。



 『すたっふときょうぎのうえれんらくします』か。

 『スタッフと競技の飢え連絡します』

 競技に飢えているのかスポーツマンなんだな。


 うん、こんなのじゃ笑えない。

 正解は『スタッフと協議のうえ連絡します』だろう。



 『このばあいでーたがさししめしているのはおそらくごさだとおもわれます』か。

 『子の場合データが刺し湿して炒るのは恐らく誤差だと想われます』と出た。

 おいおい、なんだよ料理番組かよ。

 子供がデータを弄ると料理しちまうんだな。

 笑えないな。


 正解は『この場合データが指し示しているのは恐らく誤差だと思われます』だな。


 『いそがしいところもうしわけありません。ちょっとおききしたいのですが』か。

 『忙しい処死毛訳在りません。著っとお聴きしたいのですが』

 うん、この誤変換はあまり面白くないな。

 ランダムだからこんなもんか。


 正解は『忙しいところ申し訳ありません。ちょっとお聞きしたいのですが』だな。

 やっぱり笑えない。


「ぷぷっ、あはははっ」


 マイラが大うけしてる。

 笑いの沸点が低いのだな。

 羨ましい事だ。

 俺もこんな事で大笑いしたい。

 魔法で笑いをとるのは失敗だな。

 こんな事もある。

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