第31話 予選と、人間の構成と、魔力アップ魔法

 順位戦が始まった。

 予選は何組かに分かれて的当てをする。

 得点が高かった上位2名が決勝トーナメントに進む。


 俺は電撃の誘導弾で高得点をマークして予選5組のトップになった。

 みんなも順当に勝ち進んだ。


 決勝の模擬戦は憂鬱だな。

 紙装甲ではリスクがあり過ぎる。

 殺すような魔法を禁止だと、いくら言ってもだ。


 仕方ない。

 禁忌に踏み込むとしよう。

 俺の神秘魔法名フォルダの中身を覗くのだ。


#include <stdio.h>

#include <stdlib.h>


void main(void)

{

 system("cd カニキクカ"); /*自分の中に入る*/

 system("dir > カニキクカ"); /*情報を自分に送る*/

}


 至って簡単なプログラムだ。

 結果は『カニキクカ.soul』と『カニキクカ.body』がある事が分かった。

 つまり魂と肉体があるって事だな。

 嘘判別は魂の方にアクセスか。

 じゃあ、肉体の方は身体強化に使ったりするのだな。


 さて、魔力を増やしたい。

 たぶん魔力は魂の管轄だろう。

 ここでいきなり魔力を増やしたりはしない。


#include <stdio.h>

#include <stdlib.h>

extern long mana_max_check(FILE *fp);

long main(void)

{

 FILE *fp; /*魂の定義*/

 long mana;

 fp=fopen("カニキクカ.soul","r"); /*魂を開く*/

 mana=mana_max_check(fp); /*manaに最大魔力の数値を入れる*/

 fclose(fp); /*閉じる*/

 return(mana); /*数値を出力*/

}


 これで俺の魔力量が分かるはずだ。

 魔力が分かれば魔力の管轄は魂だと言う事だ。


 実行してみた。

 113という数値が脳内に浮かぶ。

 成功だ。

 俺の魔力量が分かったと言う事は魂が魔力の管轄で合っていたという事だ。


 魔力を増やす。

 それの実験をする前に少し考えた事がある。

 呪文と言うのはイメージの補助だ。

 呪文自体がイメージの一部と言っても良い。

 好きに出来る。


 こんなプログラムがある。


void main(void)

{

 char mana[113];

}


 これは俺の魔力をイメージしたプログラムだ。

 言わずと知れた113魔力だ。


char mana[113];

void main(void)

{

}


 じゃあこれは。

 プログラムではこうすると特別な領域に変数が確保される。

 俺はこの特別な領域を外部だと思う事にした。

 呪文はイメージだからな。


 何が言いたいかと言えば最初のは自分の中の魔力。

 二番目のは外の魔力。

 簡単に言えば自然界の魔力だ。

 それでプログラムを組んでみた。


#include <stdio.h>

#include <stdlib.h>

char mana[10000]; /*自然界の魔力10000*/

void main(void)

{

 FILE *fp; /*魂の定義*/

 char s[256]; /*読み出し領域*/

 fp=fopen("カニキクカ.soul","r+"); /*俺の魂を開く*/

 while(fgets(s,256,fp)!= NULL); /*読み込みとループ*/

/*読み込みが終わっている。要するに最後の場所*/

 fwrite(mana,1,sizeof(mana),fp); /*最後の場所に魔力を付け足す*/

 fclose(fp); /*閉じる*/

}


 これを実行してみた。

 先ほどの魔力量チェックをしてみたが、欠片も増えてない。

 失敗したという感じではない。

 と言う事は。

 俺はプログラムの最後に下の一行を付け加えた。


 time_wait(6000); /*1分待つ*/


 やってみたところ1分だけ魔力が1万増えた。

 魔法が発動中だけ魔力が増えるのだな。


 こんな簡単に魔力が増えるのなら魔導師は最強だろう。

 1億だろうが1兆だろうが好きに増やせる。


「なあ、セレン。自然界の魔力を使って魔法を使えないか?」


 予選が終わっているセレンをつかまえて話をした。


「出来る訳ないでしょ。やってみたら良いわ」

「【自然界の魔力を使って火を灯せ】。あれっ、失敗した」


「だって自然界の魔力は取り込まないと自分の魔力にならないわ」

「【自然界の魔力を魂に付け加えて火を灯せ】。これも駄目だ」


 神秘魔法名もちゃんとイメージしたのにな。


「出来る訳ないでしょ。自然界の魔力は自由に動かないのだから、どうやって取り込むのよ」

「えっと」


 プログラムではデータの移動は出来て当たり前だ。

 そういう物だからな。

 出来ない方がおかしい。

 プログラムでない呪文はそこが出来ないのだな。

 なるほど俺だけのチートという事か。

 魔力アップの魔道具を作って常に身に着けるとしよう。

 100万ぐらい魔力を増やせば良いか。


 魔道具の呪文の神秘魔法名は俺のだから、他人に盗られても悪用はされない。

 マイラの分も作っておいてやろう。


 こうして、順位戦1日目は終わった。

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