嫉妬
私の彼氏は頭が良い。
テストなんて毎回高得点。
私の彼氏は運動神経が良い。
スポーツなんて何でもこなす。
私は頭が悪い。
テストなんて毎回散々。
私は運動神経が悪い。
スポーツなんてできっこない。
私に良いところなんてひとつもない。
彼は私に言う。
「努力だよ。勉強するから点数がとれる。」
簡単に言わないで欲しい。
私だって勉強ができたらな。
私だってスポーツ万能だったらな。
私だって努力ができたらな。
私だって良い結果が欲しいな。
私だって。
私だって。
彼は何も悪く無いのに。
彼を妬む。
私が無能なだけなのに。
彼が羨ましい。
私が無能だから。
私に良いところなんてひとつもない。
「彼は頭も良いのにね。何であなたは。」
お母さん。そんな言葉は聞き飽きたよ。
私にこれ以上求めないで。
私が無能なのは知ってる。
私がいちばん知ってる。
私だって褒められたいのに。
頑張りたいのに。
なんで学校なんてものがあるの。
なんで勉強なんてしなければならないの。
勉強しないで成功してる人はなに。
ずるい。ずるい。ずるい。
ずるい。ずるい。ずるい。
私だって。私だって。
私だって。
私に良いところなんてひとつも
「おまえって本当良いやつだよなぁ。」
「え?」
「みんな言ってるぞ。おまえは良いやつだって。」
私の良いところは彼が知ってた。
私の良いところは。
他にはだれが知ってるかな。
私の良いところ。
たくさんあると良いな。
私の良いところ。
私に良いところがあるなら。
私はちょっとだけ。ちょっとだけだけど。
私を好きになれたかも。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます