嫉妬

私の彼氏は頭が良い。


テストなんて毎回高得点。


私の彼氏は運動神経が良い。


スポーツなんて何でもこなす。



私は頭が悪い。


テストなんて毎回散々。


私は運動神経が悪い。


スポーツなんてできっこない。


私に良いところなんてひとつもない。



彼は私に言う。


「努力だよ。勉強するから点数がとれる。」


簡単に言わないで欲しい。


私だって勉強ができたらな。


私だってスポーツ万能だったらな。


私だって努力ができたらな。


私だって良い結果が欲しいな。


私だって。


私だって。



彼は何も悪く無いのに。


彼を妬む。


私が無能なだけなのに。


彼が羨ましい。


私が無能だから。


私に良いところなんてひとつもない。



「彼は頭も良いのにね。何であなたは。」


お母さん。そんな言葉は聞き飽きたよ。


私にこれ以上求めないで。


私が無能なのは知ってる。


私がいちばん知ってる。


私だって褒められたいのに。


頑張りたいのに。



なんで学校なんてものがあるの。


なんで勉強なんてしなければならないの。


勉強しないで成功してる人はなに。



ずるい。ずるい。ずるい。


ずるい。ずるい。ずるい。


私だって。私だって。



私だって。




私に良いところなんてひとつも



「おまえって本当良いやつだよなぁ。」

「え?」

「みんな言ってるぞ。おまえは良いやつだって。」




私の良いところは彼が知ってた。


私の良いところは。


他にはだれが知ってるかな。


私の良いところ。


たくさんあると良いな。


私の良いところ。


私に良いところがあるなら。


私はちょっとだけ。ちょっとだけだけど。



私を好きになれたかも。









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