頭を動かせ、巡らせ、カナリアパンチ!

停止していた脳を動かせば、なんのことは無い。

なんて簡単なことだった。

彼女の言葉はSOSだったのだ。

が、

ならば他を当たるしかないと考えるのは妥当だ。

……でなければ、一糸乱れぬ動きに説明がつかない。

違和感を覚えるほどに───

好きな人ならば、死体の前で建前を気にするだろうか。

まだ恋人ではないとかそんなもの理由になるだろうか。

取り乱して然るべき、というのは偏見だろうか。

ポートワーク氏の話をする彼女に嘘はないと思った。

と、すればだ。

だろう。


「───ドクター・エレキエル。? 」

、公爵の介入は無さそうに思われます、が……」

。レディがを確信に変えるためにも、

「……なら、捜査官である俺にも咬ませろ。仲間外れにすんなよ、


嗚呼、この馴れ馴れしい声は……知らないフリしたい。

だが現担当と言われたら。

ヴィンセント・ポレフェン警部補。

ロバートの直属の部下であり、行方不明扱いの彼の代わりに指揮官をしている。


……。やはり貴様が後継か。仕方ない、頼めるか? 」

「余所余所しいなぁ。『ヴィンスお願い❤』くらい可愛く……ぐっ」


綺麗にストレートが鳩尾に入った。

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