2回目の訪問

なんだ? この歯にものがはさまったような感覚は。

ロバートの手紙で警戒し過ぎたせいかもしれない。

彼の言う彼女がレディイザベラであるとはかぎらないじゃないか。

違和感があるのはタイミングが良過ぎることくらいで……。

何も糸口が見つからないまま怠惰に過ごし、二週間が経過した───。


───リリーン! リリリリーン!


先の見えぬ思考を遮るようにけたたましく事務所の電話が再び鳴った。


「はい、レイドール私立探偵事務所です。はい、え……───? 」


───コンコン


急な扉を叩く音に二種類の動揺が隠せない。


「すみません、来客なので」


受話器を置くと扉に近づく。


「どちらさまですか? 」

”『初めまして。わたくし、イザベラ・ヘルミールと申します。こちら、さまがいると伺いました』”


───ゾワリ


何の冗談だ……?

だが、今受けた電話で

この扉を開けるしか選択肢はないが、


『恐れ入ります、レイドールさま。警察署で監察医として同伴させて頂いた、ザック・エレキエルと申します。見て頂いたなのですが、今回になりまして。でしたことを報告させて頂きたく、お電話しました。……どうか、下さい。───来客? 。詳しいお話は後ほど……では』


……!?

もう後戻りはできない。

友のために前に進むしかない。

解決しなければアイツの行方も分からない。

五体ならばボクで……。

だがしかし! 生きていても、死んでいても、おまえを探し出す。

その為には───!


ボクはポーカーフェイスを作り、扉を開けた……。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る