ある刑事の手紙
───『キミがこれを読んでいるということは、私は殺されたということだ』
この手紙は、送り主失踪後1週間経った今手元にある。
コイツは小説家になるつもりかと思われる文章で始まっていた。
あまり本も読まず、頭まで筋肉かと疑うほどに考える前に動くタイプの刑事。
それがこの手帳の持ち主、ロバート・エマーソンだ。
そもそも書かれている内容は多くない。
内容はこうだ。
『キミがこれを読んでいるということは、私は殺されたということだ。
……ミステリーによく見る文章だとキミは笑っているだろう。
だが、残念ながら冗談ではないのだよ。
私は疑う仕事だが、疑ってはいけなかった。
私には彼女の真に求める事柄に辿り着けなかった。
直にキミの元にも彼女が現れるだろう。
先にはっきり言おう。
彼女の頼みを引き受けてはならない。
関わらなければ巻き込まれることもないからだ。
私は刑事だから引き受けざる得なかった。
キミは選べる職業だ。
頭で理解なんてしてみろ、ぶっ壊れるぞ。
常識なんて蚊帳の外なのだから。
……警告はしたからな。
キミのパートナー失格のロバートより』
読み終わると同時にドアをノックする音がした───。
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