女心

あさひな

不足

いつも何か足りなくて

気付けば誰かを求めていた


その誰かは誰でもいい訳ではないのだけど

具体的に誰と言われても答えることが出来ない


ただ、

熱が欲しくて

繋がりが欲しくて


飢えに近いその満たされぬ思いを埋めるために


その腕をそっと掴み

広い背中に手を回す


回した腕に力を込めれば

服越しから感じる鼓動がドクンッと跳ねた


そのまま身を委ねれば

私の身体は熱に溶け

次第に混じりあっていく


荒い吐息

絡まり合う指先


苦しいくらいの快楽に溺れているはずなのに


それでも、足りない何かは埋まらない


私の揺れる髪を眺めながら

目から零れた一粒の雫が、

そっと頬を伝った

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