第87話 寒い夜 だけど

 土曜日の夜は嬉しいけど、寂しい。

 だって、明日になったら一旦、帰らなきゃいけない(月曜日にまた、学校で会えるけど)。 ほんとは毎日、一緒がいい。 私、甘えん坊だもん。 ほんとは毎日、先生と、一緒に寝たい。



 今日は一日、ぴったりくっ付いた。 色違いの、お揃いのパジャマで過ごして。 同じものを食べて、お揃いのマグカップで、お茶と白湯を飲んで。 わざと、先生のカップから飲んだりして。 「トイレもついてこっかな」って言ったら、それは絶対だめよ!って、けっこうまじで、言われてしまった……。 冗談なのに。



 寝る時も、一緒なの。 歯磨き終わらせて、すてきな香りのヘアオイルを借りて、いい匂い。 ボディクリームも、借りちゃった。 化粧水も、乳液も、美容液も。 先生は、マゼンダ色の冬のガウンを。 私は紺色のガウンを裸に羽織って、寝室に向かう。



「えへへ。 お布団、あったかい」

 いいなぁ、布団暖めるやつ。 これ、大人になったら、ママに買ってあげよう。 この世には私が知らない、めちゃめちゃ便利な物がたくさんある……。 先生は、色々持っている。 これから、教えてもらお。 そして、ママに教えてあげるんだ。

「あったかいから、裸でも、寒くない」

 先にベッドに潜り込んで、お布団にくるまる。 先生の匂いの、ベッド。 大好きな、いい匂い。

「寒いわよ。 一人だとね」

 先生も、ベッドに入ってくる。 何にも着てない、裸で。 そしてすぐに、ぎゅっと抱き合う。

「二人なら、寒くないわ」

「えへへ……。 そうだね」

 私、先生の髪を、撫でてみる。 先生のいつも着る、シルクのパジャマみたいに、つるつるで、優しい感触。 高級品の、きれいな髪。

「髪の毛、きれい。 すてき」

 先生も、私の髪を撫でる。

「あなたの髪、真っ直ぐで、つやつやで、すてきよ」

 いつも、そう言って褒めてくれる。 褒められる度に、きっとどんどんすてきになってる。 自分のことなんて全然好きじゃなかった、私が。

「先生……。 ちゅーしよ」

「ふふ。 しましょ。 私たち、キス、大好きだものね」

 やわらかい唇どうしで、触れ合う。 くっ付けたり、ちょっと離してみたり。 何度も繰り返して、離れる時間は、どんどん短くなる。 

「ん……んっ……」

 くち、ぴったりくっ付ける。 お互いに舌を差し入れて、大人の気持ちいいキスになる。

 二人とも喉を鳴らして、大好き、気持ちいい、中に入りたい、切ないよ、って伝え合う。 

 私は先生の背中に腕を回す。 先生は、私のお尻を撫でる。



 長い長いキスを終わりにして、先生は、耳元で囁く。

「ね、今日も、出して大丈夫よ」

「えー…… あれ、恥ずかしいから、いやだよ……」

「見せてほしいわ。 かわいいから。 あれ、出来る子と、出来ない子がいるの。 夕陽、才能あるのよ」

「なにそれ……」

「だから、えっちな潮吹き、見せて」

「し、潮吹き? なにそれ。 クジラ?」

「ふふ。 かわいいクジラさん」

 先生は、私のあそこに指を一本だけ、挿れる。 そこはすっかりとろとろに出来上がっていて、先生の指を待ち構えていた。

「あ……はぁ……んっ。 ゆび、好き…」

「私も、ここ、大好きよ。 とろとろのくせに、やさしく締めつけて。 いやらしくて、最高」

 指先だけ、擦るように動かす。 指は、すぐにとってもいいあたりを探し当ててくれて、そこを何度も触ってくれる。

「あ、あ、先生、そこ、そこすき、すきっ」

「いい子……。 素直な夕陽、大好きよ」

 褒められて、どんどん気持ちよくなる。 いっぱい褒めてほしくて、気持ちよくなりたくて、私は自分のちくびに触れる。 今初めて触るのに、ぴんとたってて、背中がびくっとする。

「まあ、お利口ね。 おっぱい、くりくりするの?」

「んっ、そうなの、したいの。 先生、してもいい?」

「いいに決まってるわ。 よくなるのよ。 たくさん、よくなって……」

 先生の上手な指と、自分のへたくそな力加減の指。 どっちも、気持ちいい。 どんどん、よくなっちゃう。 それに、なんか、むずむずしてくる…

「あ、あ、いいっ、もう…… 出ちゃうよう……」

「大丈夫よ。 見ててあげますからね。 きれいだから、平気よ」

 み、見ててくれるなんて。 恥ずかしい。 すっごく、気持ちいい。 気持ちいいのに、もう、もれちゃう……!

「ああっ、ご、ごめんなさいっ……」

 また、しちゃう。 ベッドの上で。 こんなの、いけないのに……。 だって、先生がいいって、言うから…。

「ごめんなさい…」

 たくさんは、出ないけど。 めちゃくちゃ恥ずかしい(当たり前)。 なのに先生は指を抜いて、今度はふるえるおもちゃを、私のあれに押し当てる。

「だめっ! 先生、いったばっかりだから、もう、だめ!」

「ごめんね。 いったの、知ってるんだけど。 もっと、いってほしいの。 見たいの。 お利口な夕陽が、わけわからなくなるところ……」

「やぁっ! だめなのに……」

 逃げたいのに、気持ちがよくて、腰を前に突き出してる。 振動、もっとほしい。

「やだあっ……。 いいっ……。 もっと…」

「いい子。 ね、ここには私しか、いないのよ。 もっともっと、よくなっていいのよ……」

 意地悪。 先生、えっちで、意地悪で、大好き。 先生に囁かれると、えっちなのがいい子で、おっきな声で気持ちいいって言えるのがお利口で、ベッドでおもらしするのが、才能あるって、勘違いしちゃうじゃん。

「あぁ…… きもちいよぅ…… あれ、おっきくなっちゃうよう……」

「ふふ。 夕陽のびんびんの、ここ。 とっても素敵。 擦れば擦るほど、感じやすくなる……」

 もう、魔法をかけられてるみたい。 低い声でそんなこと、言われたら、どんどん気持ちよくなってしまう。 奥がきゅんきゅんして、体がまた、変になる。 また、出そうになる。 お尻のあたりも、ヘン……。 恥ずかしいこと、また、してしまう……。

「素敵。 また出たわ。 夕陽は、天才ね」



「先生の、えっち」

「お互い様でしょ。 夕陽は、いくのが本当に上手ね」

「そ、そんなの、何の役にも立たないし」

 シーツと、その下の防水シーツを取り替えて、昼間と違うお揃いパジャマに着替えて、また一緒にベッドに入る。

 先生は、私のほっぺたにちゅっとする。 指を、繋ぐ。

「役に立つかどうかなんて、どうでもいいでしょ。 いくのが上手だと、私はとっても嬉しいわ」

「それは…… あの…… 教え方が上手だから…… だもん…」

 照れて、とっても小さい声になってしまった。 だけど今は冬の夜で、二人しかいないとっても静かな寝室だから、先生には絶対、絶対聞こえてたはず。

 えっちで意地悪な先生はわざと、何て? もう一回、言って? って聞き返してきたけど。 私はもう恥ずかしいから、「ねます!」と言って、寝たふりをした。 そのまま、指も繋いだまま、私たちは、眠った。

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