第17話 春の連休 一日目の、夜更けに
しゃきん。 ていうか、ぎんぎん。
変な時間に、目が覚める。
三時。 外は、真っ暗だ。
何でこんな時間に起きちゃったか、分かるよ。
昨夜はこの最高な旅館に来て、温泉入って、えっちして、甘い食前酒をちょろっと貰って、超美味しい夕飯食べて、えっちして、二十一時過ぎには、寝た。 早寝しすぎたね。
隣には先生がいる。 長い睫毛、きれいな寝顔で、静かに寝息を立てている。 昨夜は、だいぶお酒を飲んでたみたい。
私も、先生も、裸。 初めて、二人とも裸になって、いちゃいちゃした。 学校では絶対できない事だから、私はすっごく嬉しかった。
先生、きれいだな。 全部、好き。 頭のてっぺんから足の爪先まで……なんて、言うけど。
ほんと、全部、すてき。
髪の毛、つやつやで、きれい。 温泉出た時、一緒に使わせてくれたヘアオイルの香り。
睫毛がすごく長くて、頬っぺたには余計なお肉がついてなくて。 私、細いけど、頬っぺがぷくぷくしてるからなぁ。 全然、違う。
鼻筋もスっとしてて、かっこいい。 唇、薄くて、きれい……。
がまんできない。 キスしちゃお。
ちゅ、と、唇をくっ付ける。
まだ、起きない。 かわいい。 先生、好き。
首、鎖骨、きれいだな。 先生の身体、いい匂いがする。 裸だから、いつもより、もっと濃い、先生の匂い。 たまらない。
私は、当たり前のように、自分のそこに手をやる。 先生にくっ付いてただけなのに、めちゃめちゃ濡れている。 だって、いい匂い。 大好きな、先生の匂い。
先生の首に唇を少しだけ触れさせて、私のそこを、触る。 先生の匂いをかぎながら。 すごく、えっちな気分……。
ひとりでしてるのに、ひとりじゃない。 ぜいたくね。 指、止まらない。
「すき……。 先生、すき。 だいすき」
「知ってます……。 私も、大好きよ」
先生。 目を瞑ったまま、応えてくれる。 起こしちゃった。
「ごめんなさい。 起こそうと思ってなかったんだけど」
「いいのよ。 かわいいお猿さん。 指、舐めさせて」
はい。 ひとりでするの、大好き猿です。 猿は先生に、右手の人差し指を食べられてしまう。
先生は、私の指の付け根まで、それはそれは美味しそうにお口に入れてくれる。 目を閉じたまま。 唾、いっぱい付けて、舐めまわす。
「先生……、えっちだよ。 そんなの、すごくえっち」
下の方、また、むずむずする。 先生、かわいい、やばい。
ちゅぱ、と音を立てて、指を返してくれる。
「だって、美味しそうだったから」
目を開けた先生は、私のそこをやさしく触る。
「こちらも、とっても美味しそう。 もっと、とろとろにしてしまいましょう」
さっきまで、寝てた人とは思えない。
今度は先生の指を、挿し入れてくれる。
「う。 きもちい……」
「もう、とろとろだから。 気持ちいいですね。 今日は、二本……」
いつもより、圧迫感。 だけど、とっても気持ちいい。 息が、荒くなる。
「せんせい、キスしたい」
そうね、と言って、してくれる。 唇がくっ付く前からお互いに舌を差し出す、いやらしいキスを。
ぺちゃぺちゃ、キスをして。 先生の長い指、二本も入れてもらって。 二人とも、裸で。
「先生……私、このまま死んじゃうかも」
しあわせすぎて。
キスが途切れた時、言ってみた。
先生は、眉間をぎゅっとさせて、
「そんな事、言ってはだめ」
って。
「そんな事……。 冗談でも、言ってはいけません」
私の身体を、強く抱き締める。
「ご、ごめんなさい。 もう、言わないよ。 先生、ちょっと、強いよ」
先生は、私をぎゅっと抱いたまま、首を何度も横に振る。
「どこにも、行ってはいけません。 先生を置いては、だめよ」
先生、酔ってるのかな。 いつもの声と違う、弱々しい声。
「当たり前じゃん。 行かないよ。 ごめんね」
なんか、ほんとに悲しませちゃったのかな。 私もだんだん悲しくなってきた。 先生を、がっかりさせて。
「ごめんね……。 先生、大好き。 ぎゅってして、寝よう」
私のおでこが、ぬれている。 先生、泣いてるの?
私は、先生の事をぎゅっと抱き締めた。 さっきそうしてもらったよりも、強く。
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