おばあちゃんのせせらぎ

つむぎ

おばあちゃんのせせらぎ

入院中、仲良くなったおばあちゃんがいる。

そのおばあちゃんは、病院着の胸元を安全ピンで留めていた。

「そこ、安全ピンで留めているんですね。」

「谷間が見えてしまうやろ。でも、この前友達にあんたのは谷間じゃない、川のせせらぎやって言われてしもうたわ。」

 おばあちゃんは面白そうに笑った。私もおかしくて笑った。

 おばあちゃんは私にこう言って去っていった。

「あなたは大丈夫。女の人は子どもできたら大きくなるから。」

 私はおばあちゃんのせせらぎを超えることができるだろうか。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

おばあちゃんのせせらぎ つむぎ @tu-mu-gi

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る