永遠に語る
針音水 るい
プロローグ
忘れられたくない。忘れ去られたくない。
たとえこの物語が時代の流れに逆らえなくても、
誰の心も動かせなかったとしても。
誰かが言葉を紡いでくれるだけでいい。
誰かが残し続けてくれるだけでいい。
それ以上は何も求めないし、それだけで十分。
誰かが覚えてくれること。
誰かが物語を語り続けてくれること。
それだけが僕が存在していたという、
唯一の証明になるのだから……。
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