拘束プレイといろいろ

誕生日の次の日、土曜日、学校は休み。


朱里からめちゃめちゃゲームしろコールが来た。


よし、じゃあ、ゲームやりますか。


そう決意した12時37分。


コールが来たのは9時。


たぶん朱里は半泣き。


せっかくの休みだし、寝たいじゃん?仕方ないよね。


そんなことを思いつつゲームの準備を開始した。


「えっとー?パソコンに繋いで、メアドとー、パスワードと……あぁ、めんどい」


てきとーに。設定しとこう。パスワードだけ、絶対忘れるからメモしとこ。


今まで何回忘れたことか。パスワードを忘れた方はこちら、あれ何回見た事か。


今度は気をつけとかないとね。


数分間パソコンとにらめっこして、設定が完了した。


ご飯も食べたし、トイレも行った。気をつけるべきことは他にない。


少なくとも、私の記憶の中では、だけど。


「えっと、開始の合図はなんだっけ」


カチャカチャと、ヘルメット型のゲーム機器を頭に固定しながら考える。


あぁ、そう。


「リンク」


そして私は、ゲームの世界へ旅だった。






目が覚めた。


私は白とピンクを織り交ぜたような世界にたっていた。


空には蝶が光の軌跡を作り、地面には見たことも無い花が咲き乱れている。


地平線の彼方まで続く花園を、空に輝く1つの太陽が照らしていた。


「きれい……」


こんな感じなんだぁ、フルダイブ型のゲームって、すっごいリアル。そりゃ、みんなハマるよねー。


今まで全くしてこなかったから、ちょっと勿体なかったかな。


ゲーム本体がもうちょっと安かったらね。買ったんだけど。流石に高校生がゲーム機に六桁は出せないよ。


『Only Butterfly effectの世界へようこそ!まずはこの世界での自分を作り出してみましょう!』


私の目の前に、青いパネルに白い文字で、そう表示された。


うーん。ここで色々設定するんだよね。なんか朱里が色々言ってたなぁ。聞いたそばから出てったけど。


ところてん方式耳なのです。情報過多なんてありえない耳なのです。


少しは覚えてるよ?ほとんど忘れたけど。ま、なんとかなるよね。


『まず初めに、権利を3つ所得してください!』


けんり?権利かぁ。朱里は重要って言ってたような、きがする。たぶん、言ってた。


私の目の前に、ずらりと権利が並ぶ。


レベルアップ権

好きなタイミングでレベルを1つ上げます。使い切り。


スキル獲得権

ランダムにスキルを1つ獲得します。使い切り。


市民権 街の市民としての権利を行使できます。永続型。


──────────etc.


何がいいのかわかんないなぁ。考えるのも大変だし。うん。ランダム一択だね。


私は思考を放棄して、一番下にあったランダム獲得というのを押した。


そして獲得したのは


消去権。


アイテム創造権。


スキル獲得権。


効果はそれぞれなんでも一つだけ消せるよ!


素材あればアイテム作れるよ!性能はある程度自由。


スキル獲得できるよ!


以上!


消去権と、アイテム創造権は、表示されてる権利の中にはなかった。ランダムを選んだ人限定とかなのかな。


限定とか、そそられる。きっとすごい権利だよね。うれしい。


『次に、ステータス項目をそれぞれ設定してください!』


ステータス項目ね。ま、適当でいいよね。


数分間。ステータス画面とにらめっこして、軽い気持ちでポチポチと決めて。


完成したステータスが


名前:プリン

職業:学者

種族:吸血鬼

Lv1


HP100

MP100


STR5

VIT6

AGI10

INT11

MND12

DEX117

LUK7


SP0


スキル


称号

異世界の使徒


装備

武器:始まりの棍棒

頭:なし

胴:始まりの服

手:なし

腰:始まりのパンツ

足:始まりの靴


名前のプリンはね。プリンが好きだったし、昨日お姉ちゃんから貰ったから、それにした。


プリン以外にも、プルプル系統は全部好き。


職業の学者は生産職で、なんでも作れる器用貧乏って感じ、種族はランダムにしたら吸血鬼になった。


STRとか、その辺はよくわかんなかったけど、DEX?が高いと生産能力に補正があるらしくて、生産だけしてたかったから、SP全部ぶち込んだ。


SPは、最初100あって、好きに割り振ってねって言われた。割り振ったぶんその能力値が上がるんだって。あ、HPとMPは1ポイントで10増えるんだって。


生産だけしたかった訳は。朱里みたいに私戦えないと思うんだ。


朱里って何個もゲームの賞とってるし。格闘技もしてるから。ちょー強いんだよね。


別に私は運動音痴ではないけど、確実に朱里の足引っ張る。


だから、朱里に素材調達頼んで、私が作るって構造がいい。生産だけ出来ればいいよね。たぶん。


ま、だめでも、朱里なら何とかしてくれる、はず。


たのむよ、あかりえもん。


それと、武器選べたんだけど、剣は使えないし弓も無理、一番使えそうなのは棍棒だけだった。


朱里が結構前に、武器を使ったことないなら、最初は鈍器がいーよ。っていってた。


ドンキホーテで聞いた。歌を聴いてふと、武器のことの話になった時に聞いた。


歌は、良く流れてる。どんどんどん、どんき、ほーてー♪ってやつね。


あと、容姿も変えた。髪を白く、目を青くしただけだけどね。


私の髪は長めで、結構綺麗な方だと思う。真っ白にしたことで、ふわふわ感が増してとてもいい。


校則で髪染め禁止だからねー。ゲームの中くらいは髪染めていたい。


身長とか。おっきくしたかったんだけどね。出来ないってさ。あと、胸も。


かなしい。


身長はコンプレックスではないけど、胸は、おっきくしたかったな。


それから、ハラスメントの設定とか、痛覚設定とか、利用規約の同意とか、いろいろ。ほんとーにいろいろ設定して、なんとか、全ての設定を完了させた。


『それでは、プリン様。まず初めに

、チュートリアルを行います。プリン様は種族が吸血鬼ですので、吸血鬼特有のチュートリアルとなります。チュートリアルの結果はステータスに影響します。ぜひ、全力を尽くして頑張ってください』


ほーい。吸血鬼のチュートリアルってどんなだろ。血ーすーたろかーって感じなのかな。


わくわくする。


そして、マントをバサバサしながら血を吸っているシーンを思い浮かべるプリンを他所に、チュートリアルが始まった。














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