拘束プレイは別に、好きではないんです。ほんとうですよ?

@nirup

拘束プレイと始まり

「「「「ほのか!お誕生日おめでとー!」」」」


パンっ、パパンっ。


今日の小テストやばかったな。なんて思いながら家の玄関を開けると、楽しそうな顔で家族と親友が出迎えてくれた。


「あれ?今日誕生日だっけ?」


てか、今日何日だっけ。


「自分の誕生日くらい、覚えてよ」


朱里さんや、そんな呆れた目で見ないで。親友なんだからさ。もっと寛容に行こうよ。


「いや、覚えてたよ?ただ、今日が何日かわかんなかっただけ」

「十分やばいよ」


そうかな。


「ちな、生まれた年は、わかる?」

「……わかんね」


早生まれはね。分かりにくいの。今までどれだけ生年月日を書く時つまずいたことか。


「いま何歳?」

「ばかにしてる?16だよ」

「今日誕生日だから17ね」

「あ」


あははー。まぁ、うん。ミスは誰にでもあるし。


それよりも。


「けーき、たべたいな」




それから、しばらくはしゃぎ倒して、プレゼントあげないとねーって、話になった。


お母さんからは現金、五千円。シンプルに嬉しい。


お父さんからは1日遊べる券。シンプルにいらない。券を返却して五千円ぶんどった。泣いてた。


お姉ちゃんからはプリン。1こ。おいしかった。


そして、朱里からは


「えっと……?なんですかな、これ」


でっかい紙袋に入ったごっついヘルメットみたいなやつと、ちっさいゲームのパッケージ。


ゲームのパッケージにはOnly Butterfly Effectって、書いてある。


「ゲームだよ。VRMMORPG。フルダイブ型のゲームで、私がよく話してたヤツ」

「……んっとね。わかるよ。あのー。わかるよ」


話してたよね。話してた。


あれでしょ。めっちゃ人気で、AI技術がすごくて、ファンタジーなゲームでしょ(ほとんど分かってない)


「私の記憶だとね。このゲーム、ものっすごーく。高かった気がするんだけど」

「高いね」

「だよね。さすがに、これはもらえないよ」

「ほら、私このゲームのベータテスターでさ、無料で1台貰ったんだよね」

「え、でも」


さすがに。高価すぎて。


「拒否権ないからね」

「え、いや」

「拒否られたら泣くから」

「……」

「私、友達1人しか、いないから……渡せる人、1人しか、いないから」

「あ、貰います」


そんなわけで、ゲームをすることになりました。


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