第25話「ロイク・アルシェ強化育成計画」

冒険者登録、ランクBたる所属登録証の交付、

更に、最大の目的、

俺の中身が、想定していたアラン・モーリアの初期設定だった最終確認。


当初の目的は全て達成し、冒険者ギルド総本部からホテルへ戻った俺。


今夜はロイクをどう育てるか、じっくりと考え抜く事にする。


食事も全てルームサービスで頼み、『戦闘態勢』は万全だ。


さあ、じっくりと俺自身のスペックを確認しよう。

「心の扉を開いて貰った」いつでもどこでも誰にも知られず、

自分の能力を確認する事が可能なのだ。


「さあ! 心の内なる声よ! 我が能力を示せ!」


そう念じ、目を閉じると、スペックが心に浮かんだ。

ちなみに、声に出さなくても問題なく発動する。


よし!

無事発動。

冒険者登録の際、金貨100枚、別途支払った価値はある!


これで通常のスペック確認は勿論、レベルアップや能力獲得の際は、

特別なファンファーレでしらせて貰う事が可能となった。

本能的な危機回避能力もアップし、『心の内なる声』がしらせてくれるだろう。


ここで心の扉を開いた特典をもうひとつ告げておく。


自身の善悪の指数たる『性向』は最高善、美徳、中立、悪、奸物、極悪非道の6種。

某迷宮探索ゲームのようにクランが組めないという事はない。

だが、性向の相性が悪いと仲が上手く行かない場合が多い。


相手別に設定される、信用の指数たる『信頼度』

これまた相手別に設定、名誉ある評判、ほまれたる『名声度』


この3つもいろいろなイベントにかかわって来る重要な数値だが、

『ステディ・リインカネーション』の世界では表に出ない隠し数値なのだ。


しかし!

心の扉を開けば、心の内なる声が教えてくれるのである。


〇名前:ロイク・アルシェ

〇種族:人間族

〇性別:男子

〇年齢:16歳

〇LV:レベル:5

〇職業:元農民⇒元店員⇒現在プー


〇STR:ストレングス:6,250

〇DEX:デクステリティー:10,000《MAX》

〇VIT:バイタリティー:10,000《MAX》

HPは、4,030

〇AGI:アジリティ:10,000《MAX》

〇INT:インテリジェンス:4,030

〇MND:マインド:4,100

MPは、4,015

〇LUK:ラッキー:10,000《MAX》

〇CHA:カリスマ:2,410


習得したスキルは、いずれも『初級』

『索敵』『俊敏』『防御』『回復』『殴打』『刀剣』『召喚』

『農業』『採取』『鑑定』の10。


さあて!

気になるところをチェックして行こう。


LV:レベルは、平民の素人少年ロイクだから、たった『5』なのだろうが、

ここはスルー、無視して良いだろう。

これから様々な経験を積めば、ガンガン上がる。


DEX:デクステリティー、VIT:バイタリティー、AGI:アジリティ:10,000、

LUK:ラッキー:10,000は最高値MAXだから問題なし。

転生した俺のこれまでの戦い、運の良さから確信はしていた。

これらの数値を更に増す、限界値を突破する為には、

スペシャルイベントが必要だが、とりあえずはこれで大満足。


STR:ストレングスは、バトルやその他もろもろでアップするだろうし、

CHA:カリスマは、さすがに低い。一般人にくらべれば上だけど、

名声度を上げて行くのがベストだな。


問題は、INT:インテリジェンスとMND:マインド。

MPも含め、数値だけなら一流レベルではあるのだが、肝心の魔法が使えない状態。

これでは宝の持ち腐れ。


でも!

魔法習得の方法はちゃんとあるのだ。


この王都ネシュラには、魔法を学ぶ学校たる王立の魔法学園がある。


俺は一応、魔法学園への入学は考えた。


異世界の学園生活は楽しそうだし、魅力的な級友、先輩が居るだろうが、

やはり無理だと判断した。


何故なら、授業料、教材費等々で、学費が年間金貨1,000枚以上かかる。


有り金全てを、使い切ってしまう。


そして『ステディ・リインカネーション』の魔法学園は、

校則で生徒のアルバイトは禁止。


違反したら、停学、最悪なら退学。

冒険者との兼業が出来ないのだ。


となれば!


今日、サブマスターのエヴラールさん、秘書のクロエさんから勧められた、

冒険者ギルド総本部の各種講座を受講する。


魔法学園通学は無理でも、冒険者ギルドの講座の学費は、1週間から1か月受講で、

金貨5枚5万円から、最高でも30枚30万円

これだって、結構高額だが、現在の俺の経済状況なら、支払いが可能だ。


科目は剣、打撃武器、槍、盾、体術格闘、その他もろもろ基礎と応用、


攻撃、防御、回復、破邪、葬送、その他もろもろ魔法の基礎と応用。


他にも、森林、密林、高所、渓谷、湿地、荒野、遺跡、迷宮、

その他もろもろの探索の基礎と応用、

サバイバル術、乗馬と御者の練習等々も教えてくれる。


王都には私塾のようなものもあるが、冒険者ギルド総本部の講座の方が断然上。


まず授業料が同じような内容でも3倍以上、違う。

その上、講師も現役の超一流が殆どだから、レベルが桁違いなのだ。


という事で、冒険者ギルド総本部の講座受講を決定。


DEX:デクステリティー、10,000のMAXだから、

俺の持つ器用さが、習得の円滑さを後押ししてくれるに違いない。


受講科目は、あたりをつけた上で、明日実際に資料を見て、最終決定。


午前中に冒険者ギルド総本部を訪問。


講座の申し込みを済ませ、ルナール商会へ訪問。


それから昼飯を食べ、午後は王都探索へ。

本日行けなかった各所をめぐると決めた。


おおまかではあるが、転生した俺、ロイク・アルシェの強化育成計画を立案した。

今日はいろいろあったし、早めに寝てしまおう……


こうして……俺の異世界ゲーム転生は、本格的にスタートしたのである。

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