春はすぐそこに

@fognojsoijfd38sk

第1話

 朝がやってきて、ぼんやりと天井を眺めた。

忙しい毎日を思い出すのは、ほんとうは嫌い。

こうして年老いて、死んでしまうのかなって。


 誰かに優しくするのは、きっと優しくされたい気持ちの裏返しで。

君の手にふれたときのことをそっと思い出す。

 もう会えないかもしれないのに、会いたい。


 歩く通学路、道端の石ころに足を取られた。

ついてないのはきっとこの石ころのほうで、きっとわたしじゃない。

ごめんね、だれにも聞こえないよう呟く。


 明日も君のこと、覚えていられるかな。

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