第22話 妹ちゃん、同じお布団の中でイチャイチャして自爆する

俺をからかっているのか?


もしそうなら止めて欲しい。俺は陽葵のこと本気だから__でも。


「磯風__妹さんのこと好きなのね」


「ああ、一番好きだ」


「そう、でも私も磯風のこと好き。遠慮はしない。女は好きな人にはえげつないのよ」


「出来ればそっとしておいて欲しい」


「__嫌」


アリーさんは俺たちのことをそっとはしてくれない。


俺はアリーさんの誘惑を振り切って部室を後にした。


意外にもアリーさんは俺を引き止めなかった。


家に帰ると陽葵は自室に閉じこもっていた。


そしてLi○eのメッセが来ていた。


『今日はお兄ちゃんと口聞かない。二番目の彼女の嫉妬、無視していいよ』


俺は慌ててことの顛末をメッセにして説明した。


陽葵とのことを脅されていること。


でも、俺は一番大事なことを伝え忘れていた。


それは、今の一番好きは陽葵、そんな肝心なことを忘れていた。


『わかったよ。でも、今日はそっとしておいて』


俺は少し安堵すると食事を作って陽葵の部屋の前において、自分も食べた。


そして、風呂に入って、自分の部屋でボォーと天井を眺めていた。


すると突然声がかけられた。


ドアの方を見ると陽葵がいた。


「ひ、陽葵!」


俺は嬉しくて思わず陽葵の名前を呼んだ。


「お兄ちゃん。デレデレしていたお兄ちゃんにはお仕置きが必要だと思うの」


「お仕置きされたら許してくれる?」


「ふふ♪ 許してあげる♪」


良かった、陽葵が機嫌を直してくれた。でも。


「お兄ちゃんへの罰は陽葵に添い寝して。近くでお兄ちゃんを感じてたい、近くでお兄ちゃんの匂いを嗅いでみたい」


そう言って制服のまま俺のベッドに入って来る。


俺も布団の中に入った。


陽葵はモゾモゾと動くと俺の目の前に顔を出して来た。


俺の陽葵は可愛い過ぎる。それと制服着た女の子と同じお布団の中にいるとか頭おかしくなりそうなシチュだ。


「今日はお兄ちゃん成分をたくさん補給するからね」


「陽葵」


俺は陽葵の頬を触った。そのままキスしようと思った。


「ダメなお兄ちゃんね。陽葵にキスしたいんでしょう? ほんと妹に__ダメなお兄ちゃんね。でもいいよ」


そう言って目を閉じてキス待ちの顔になる。


そっとキスして__そして陽葵の方からも来る。


いつもと同じだ。意地悪だけど可愛い陽葵。


そしていつもの意地悪な表情をすると__。


「お兄ちゃん。これなーんだ?」


そう言って俺の顔に何か布を押し付けて来た。


なんだこれ? 俺はそれを見たことがあった。


陽葵がスパッツ履き忘れて俺の前に思いっきり晒したパンツ。


それが俺の目の前に__。


陽葵は俺をツンツンして。


「わ、私、今履いて__ない」


「ちょ? ちょ、ちょ! 陽葵ぃ!?」


この状態で我慢できる奴いるか?


「確認して見る? 手を伸ばせばすぐわかるよ」


そう言って恥ずかしそうに顔を真っ赤にする陽葵。


ポケットには確かコンドウさんがあった筈。


「__触るよ」


陽葵は黙ってコクリと頷く。


俺は陽葵のスカートの中に手を入れた。


そして、陽葵のイケナイとこ周辺をそっと触る。


__でも。陽葵はちゃんとパンツを履いていた。


「ぷぷっ、お兄ちゃん期待した。いくら陽葵でもそこまでしないよ。ウケるー! ほんとダメなお兄ちゃんね、今、妹のイケナイところ直に触ろうとしたよぉ!」


いつもの陽葵の意地悪なイタズラ、でも今日はイタズラじゃ済まない。


俺は陽葵を自分のものにしたかった。


「__陽葵」


「何お兄ちゃん?」


「__俺、我慢できない」


「へ?」


俺はガバッと起きると陽毬のブレザーの上着とスカートを乱暴に脱がせていた。


「ひぃやあああああああああああ!」


陽葵の絶唱が部屋中にこだました。


「お、お兄ちゃん___」


「いや、泣き目で見ても止まんないよ! ブラ外すぞ!」


「う、うん」


陽葵はいつものようにドジを晒すが__。


「最後の一線はダメだよ。それはお互い一番の人同士と」


「わかった」


俺は最後の一線は超えなかったが、妹の身体を蹂躙した。


☆☆☆


「ダメなお兄ちゃんね、私の身体見てムラムラして来たのね。仕方ないなぁ~♪」


陽葵はまた意地悪な顔になった。


俺たちは完全にアウトな関係にまでなった。


妹も、もしかしてこうなると思っていたのかも。


男がこんな状態で我慢できる筈がない。


天使様とのキスを見て、陽葵はおかしくなったのかもしれない。


俺もおかしくなってるし。


アリーさんの誘惑に負けないよう、強い絆を作りたかった。


その時陽葵が俺の近くに顔を寄せる。


ちょっ!!


陽葵がグイっと顔を俺の近くに寄せてくる。


近い、近い!


「―――――!!!!」


いきなり口づけをしてくる。


「もう一回しよ♪」


義妹の提案に情けなく陥落する俺のダメな理性。


「ほんと、ダメなお兄ちゃんね。妹にこんなことして♪」


また意地悪な顔で俺を煽る妹。


やっぱり妹の策略なんだろうなと思うが、俺はだらしなく妹の罠に自ら嵌まっていた。

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