悪役公爵は、女装して義弟を誘惑する

plutoniumプルトニウム

悪役公爵は、女装して義弟を誘惑する


 公爵は、義弟が大好きである。


 とはいえ、義弟は兄など恋愛の対象外。男だから、仕方ないと言えば仕方ないことである。


 しかし、公爵は義弟が諦められず、既に義弟にとって悪役となるような行動をとっていた。


 義弟と付き合おうとする女子に、義弟にまつわる女たらしな噂を流したり、付き合った女子に嫌がらせをして早いこと別れさせたりと。


 本来なら、悪役となる女子がやるような行動だが、大好きな義弟を守るためには、手段を選ばない悪役兄の公爵であった。


 そんな#悪役公爵__・__#は、とあることを思い立った。


 「そうだ!女装をして義弟を誘惑して付き合おう!#女装した自分__もう一人の自分__#で、義弟と恋愛をしよう!」


 なかなか突飛な考えだが、やはりここは悪役公爵。手段は選ばなかった。


 そして、この案を執事にはなし、国で一番の腕を誇るメイク師に、飛びっきり可愛くなるメイクを頼み、服も有名なブランドのお高いものを注文させた。


 そんな大規模女装作戦は、だいぶ順調に進んだ。なんにせよ、悪役公爵はもともとイケメンなため、肌はほぼ女性のようであり、メイクも意外と楽にすんだ。


 「よし!これで義弟を振り向かせるぞ!」


 そして、来たる義弟の誕生日パーティー。沢山の人々が集まり、賑わった。そこにはもちろん、ハエのごとく群がる女子達。そんな女子達をかき分けて、一番に議定に話しかけた。


 「お話…出来ます?」


 仕草なんかもしっかり勉強したため、誰も男とは疑うようなことはないほどの完成度になった。


 「は、はい!も、もちろん!」


 義弟はすっかり誘惑され、二人はパーティーを抜け出し、二人で密室でお酒を飲みあった。


 (あぁ…幸せすぎる。ところで、脱がされたりしたらどうしよう。下が見られたら、どうしよう…)

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