イケメン公爵は、義姉よりも僕が好きなようです

plutoniumプルトニウム

イケメン公爵は、義姉よりも僕が好きなようです


 義姉は、国で一番の美人とも言われた。


 そんな姉の弟である僕は、皆から羨ましがられた。義理の姉なのだから、結婚することも可能ではないか。と、皆から囁かれた。


 だが、僕はそんなこと、考えもしなかった。


 僕は、世間一般で言う「ホモ」だ。


 男だが、男が好き。周りから見れば、変な目で見られると思い、誰にも言っていなかった。


 だから、将来の恋愛に関しては、不安しかなかった。


 ◼️


 ある日のこと、僕達家族が、公爵の誕生日パーティーが行われた。


 公爵の父と僕の父が仲良く、こういったところにも招待されるのだ。


 公爵は、非常にカッコいい。銀色の髪の毛に、鋭くもプラチナのごとく美しい目。


 理想的な彼氏象が浮かび上がる。


 だが、公爵は可愛い女子にしか目を入れないだろう。女子という土俵にも立てない自分が悲しかった。


 ◼️


 「ようこそ!今日は思う存分楽しんでください。それが、私の息子のためにもなりますのでね!」


 陽気な公爵の父の挨拶でパーティーは始まった。


 公爵は、今日も派手でカッコ良かった。肌も白鳥のように美しかった。


 義姉は、既に公爵に話しかけにいっていた。二人は、お似合いだった。


 ただただ悔しい。


 そして、ずっと一人で飲食をしていた。


 ◼️


 「ちょっと、良いかな?」


 誰かと思えば、公爵であった。皆が酔いに酔い始め、公爵も落ち着いた頃、わざわざ僕に話しかけに来たのだ。


 「こ、これは!こ、公爵様!」


 近くで見ると、本当に美しい方だ。何故、こんなに美しいのだろう…


 「話がしたかったんだ。君とね。ここらじゃうるさいから、ちょっと離れたところで話そうか。」


 夢のようだ。これは、夢の中じゃないか?


 そして、公爵様についていくと、そこは、夜景の美しいベランダだった。


 「は、話とは…」

 「まぁ、気楽に飲みながら話そうじゃないか。」


 彼のワインの飲み方は、美しい。


 「単刀直入に言うと、僕ね、君が好きなんだ。」

 「!?」


 酔っぱらっているのか!?この人は!?


 何を言っているんだ!僕を義姉と勘違いしているのか!?


 「君に会えて、嬉しいよ。」


 そう言うと、公爵様は、ワインを置いて、急に僕の唇にキスをした。


 僕は、その場に倒れこんだ。


 月の光が、二人を照らす。


 これは、二人だけの、秘密の空間。

 

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