14



    青いあなたは、白い菫となった

    それは、私に金盞花を想わせる

    白い菫のまま、浜木綿へ消えた、

    青いあなた

    「良い所よ」と言っていた、

    青いあなたを思い出す

    最早、彼岸花となった、

    青いあなたを抱きながら

    私も、遠くないうちに、

    白い菫となるでしょう


PS

 私達が育てたミモザの花は、あの日を境に枯果て、それ以来私は、何度も弟切草を手に取りかけた。

それでも、青いあなたが、「二藍の君へ、赤い菊の花を贈ります」と言った、あの日の事が忘れられないの。

だから、こんなことになるぐらいなら、

最後に、私の手で、

青いあなたに、桑の花を贈りたかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る