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ペロちゃん、というのが、飼い犬だという事は、後になって知った。


「ああ、あの、迷子になったペット探しを依頼してきた女の子ね」

相変わらず、口元を綻ばせながら秋乃が言う。


「…はぁ。こんな事なら、あの時、引き受けなければ良かったわ…」


「無理、なのでしょうか…」

目の前の少女は、視線を床に落としながら尋ねる。


その声はか細く、よく見れば、体が小さく震えていた。


―しまった…。


どんな頼み事であれ、年頃の女の子が、良く知りもしない大人の元へ相談しに来たのだ。


しかも、こんなに辺鄙な所へ、わざわざ足を運んでまで。

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