第2話 朝礼⁉︎

「ドッキリにしか思えないんだけど、どういうこと?」


「驚かしちゃったね。でもこれは4人の本心だよ」


 優しくていいわ〜


 【雷坂光輝(らいさかこうき)】優等生だ。優等生キャラと言ったらメガネだが、光輝は夜風に優等生と思われたくないがためにコンタクトである。夜風のことは妹のように思っていて、好き。髪は黄色。頼れる良い兄貴分!


「そうだせ! 俺たち、夜風のためにこの学校を受験したんだ!」


 ありがとう!って勢いあるから釣られて言いそうになるわ


 【火山炎(かやまほむら)】明るくて元気! 夜風のことは直感的に好きだと思った。一目惚れってやつじゃね! 夜風には一度も弱っているところを見せていないが、ほか3人はよく見ているらしい。弱るってどんな感じなんだろうね。髪色は赤でぴょんぴょん跳ねている。少年漫画の主人公みたい!


「こんな学校、行きたくて来たわけじゃないからな!」


なら来なくていいわ!


 【暗条紫音(あんじょうしおん)】裏表が激しい! いつもは表だが、夜風1人の前だと俺様キャラになる。裏になるときはあんまりないけどね。夜風のことが大好きすぎて反対のことを言ってしまうんだって。正論言うときもあるけどね。あまのじゃく!


「ボクはどんなに遠い場所でも夜風のそばに行く」


 急になんだ⁉︎


 【海原氷(かいばらひょう)】クールだ。思ったことをそのまま言う。恋愛とかになると直接言葉にするっていうのは大事だよね。夜風のことになると、積極的だが、それ以外のことはどうでもいいらしい。髪色は暗めの青。なんでもストレート!


「とにかく私は4人と面識がないっていうふうにしたいの!」

「つまり知らない人同士ってこと!」


 夜風は焦っている。この4人は話を聞いてくれない感じがする。


「面識があると何がダメなんだ?」

 炎はぽかんとしている。


「4人はモテるから取り合いが起きる、恋戦争に巻き込まれたくないっ!」

   

「そんなの知らない」

 氷はストレートだな。


「逆に巻き込まれて欲しいな!」

 ふざけんなよ! 炎!


「でも夜風が言っていることも分かる」

 やったぁ! 光輝は私の味方だ!


「オレは夜風を知らないふり、出来ないと思うぞ」

 紫音は少し、努力しようとしてる?


 キーンコーンカンコーン 朝礼が始まるまであと30秒

 この学校は予鈴が30秒鳴る。どんな学校だよ! 聞いたことないわ!


「こりゃ無理だよ。朝礼、間に合わない」


「行くぞ‼︎」


 炎は私を急にお姫様抱っこして走り出した。


「やめろ!」「自分で走れるわ!」


「オレはお姫様抱っこなんてしたくないぞ!」


 そう言っているが、紫音は炎から夜風を奪い去って走った。


「結局はしてるじゃん!」


「夜風を独り占めするな」


 紫音から氷に変わった。


「なんで教室行くためにお姫様抱っこされなけゃなんないんだー!」


「僕だって出来る!」


 氷から光輝に変わった。


 これは自分で走るほうが速いな。


 光輝の手を振りほどき、私は猛ダッシュ‼︎ 4人が私を追いかけて来る。5人が教室に向かってダッシュしている姿は速すぎて、怖い。


 キーンコーンカンコーン 何回目か分かんないけどこれが最後の音!


「あっぶねー! 間に合った‼︎」


「やったな! 夜風!」

 やったね! 炎!


「間に合わないかと思ったよ」

 ほんとにそうだよね! 光輝!


「夜風だけが間に合わなければよかった」←間に合ってよかった

 それひどくない? 紫音‼︎


「夜風が嬉しそうで何よりだ」

 お、おう。急すぎて驚くわ、氷。


『イケメン達と仲良いの⁈』


 クラスのみんなは私たちを見て驚愕している。


「さっきそこで会っただけだよ」

 嘘だけど、こう言っとくしかない。


「違うぞ! 俺たち4人と夜風は小学校からの同級生だ!」

 お〜い。なに言っちゃってるの!


『そうなの⁉︎』


 もう終わったな。中学と変わらない平凡な日常が続くと思ってたのに。大変なことになるぞ。


 こうして私の高校生活が始まったのだ。

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