キャラクリ①
一瞬の浮遊感の後、俺は父親の書斎を数10倍にしたような広さの部屋にいた。
手には白紙の一冊の本を持っている。
『初めまして、ワタシはプレイヤーのキャラクリエイトをサポートさせていただくAIのサク、と言います。』
ビックリした。
さっきまで確かに誰も居なかったのに、いきなり人が現れた。
執事の格好をした20歳くらいの青年だ。
「えっと…初めまして、こんにちは」
『こんにちは、早速キャラクリエイトを始めてもよろしいでしょうか?』
「はい。よろしくお願いします。色々と教えてもらえますか。」
『了解しました。まず最初にこのゲームの特徴である《テーマ》、次に名前と種族を決めてから職業、スキルを決めて頂きます。選んだ《テーマ》によりスキルが追加されたりなどという事があるので、先に職業やスキルを選ぶ事はおすすめ出来ません。名前などを入力する際は、今お持ちの本に書き込むようにして下さい。』
…あれ、ステータスは無いのかな
「ステータスは設定しないんですか?」
『ステータスはプレイヤーの方に決めていただく訳ではなく、種族の基本的なステータスに職業やスキルの上昇分を上乗せする、という形になっております。ですので、ステータスを設定すると言ったことは御座いません』
「へぇ…」
『次に移らせて頂いても?』
「はい」
『それではまず、貴方の《テーマ》を決めて行きたいと思います。いくつかの質問に答えて下さい』
『貴方のお名前は?』
「北神
『…ッそれは』
サクが言葉に詰まる。
『……失礼ですが、このゲームをプレイされているご友人に夜纏豹哉という方はいらっしゃいませんか』
「?いますよ」
豹がどうかしたのだろうか。
それを聞くと、サクは深く考え込んでいるように腕を組み黙ってしまった。
『失礼しました。……それでしたら、運営より《テーマ》の依頼を行っても?』
「…依頼、というのは?」
豹が言っていた面倒ごときっとこれなんだろうな…
『此方では今ある企画を考えておりまして、その第一段階が〈世界を滅す〉という事なのです。夜纏様にはこの目標を受けて頂いたのですが、北神様にもどうか受けて頂けないかと、
受けていただければスキルなどの恩恵もございますので。』
へぇ、豹が隠してたのはこれか
「それは断ってもいいんですか?」
『はい、構いません。ただ少し制限をつけさせて頂きます』
まあ断る理由はないし、悪役ロール、愉しいだろうな
「分かりました。是非受けさせてください。」
『ッ有難う御座います!!!』
ロールプレイかぁ、素のままはやめておいた方がいいし。
悪役の演技してみよう。タメ語で、ちょっと乱暴な方がいいよね、たぶん。
「それじゃ、キャラクリに戻っていいか?」
『え、ええ、では今お持ちになっている本を見て頂けますか』
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名称:未設定 Lv1
種族:未設定
職業:未設定
テーマ:【世界滅亡】
HP:100
MP:100
EP:100%
◆スキル 残りSP200
戦闘系 なし
魔術系 なし
強化、耐性系 【怪力Lv1】
生産系 なし
鑑定系 【鑑定Lv1】【詐称Lv10】【隠蔽Lv10】【感知Lv1】
その他 【創造神(運営)の助言】
◆加護、意志等
【創造神の守護】【滅亡の意思】
◆称号
【世界の敵】
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あれ?
「もう称号とかスキルがあるのはなんで?」
『それはテーマの影響です。〈世界を滅す〉という目標はとても困難な事ですので、優遇させて頂いております』
「優遇かぁ、分かった。有難う」
『はい、分からない所があれば、遠慮なく聞いてください』
ステータスの表記がないとこんなに少なくなるんだ…
魔人も捨てがたいけど爬虫類のほうがかわいいからな。
竜に成れたりするし、
とりあえずこれで良いか
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名称:レイ Lv1
種族:蜥蜴獣人(半獣)
職業:槍士 Lv1
テーマ:【世界滅亡】
HP:300(+100)
MP:250(+100)
EP:100%
◆スキル 残りSP200
戦闘系 【槍術Lv1】【軽業Lv1】【体術Lv1】
魔術系 【強化魔術Lv1】
強化、耐性系 【怪力Lv1】
生産系 なし
鑑定系 【鑑定Lv1】【詐称Lv10】【隠蔽Lv10】【感知Lv1】
その他 【創造神(運営)の助言】
◆加護、意志等
【創造神の守護】【滅亡の意思】
◆称号
【世界の敵】
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「終わったよ。あとこの残りSPっていうのは何?」
スキルはほとんど増えなかったな、初期ステータスが皆これ以下なんだとしたら俺はかなり強いんじゃないか?
『有難うございます。SPはスキルポイントの略称です。ゲームを始めた後に使用することができます。初期スキルを伸ばした後に出てくる、上位スキルを取得する際にもスキルに見合った量のスキルポイントが必要になってきますので使い方には気を付けてください。分かりましたか?では、これでステータスの設定は以上になります。次にアバターの見た目の設定に移らせてもらいます。』
「わかった。」
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