第5話
「なんすかそのおかしな話は。」
「あぁまったくだ。 君の友達は私しかいないと思っていたのだが。」
「そこですか!?」
先程先輩は、本当に告白してきた子と言っていた、、、
いや無いないナイ!
それがありえないことくらい、俺が一番わかってるからな!
陰キャで根暗、ボッチでつまらない人間である俺がモテないなんて、恐竜が生まれる前から決まってたことだからな!
いやそもそも、告白なんて断ってないぞ?
「いえ、というか、寧ろコクハクを断られた側ですね。」
「は?」
「先輩も調べれば分かると思いますが、昨日俺泣いて帰ったんですよ。 つまりそういうことです。」
「、、、ちなみにその子の名前を知っているか?」
ヤッベ名前知らねぇわ
どうするどうする(汗
「えっと、忘れました、、、」
「知らないんじゃないか! やはり君が言う断られたは嘘なんだな?」
「はい。」
「なら最初から言えば良いものを。」
めんどくさい性格のアンタだから素直に言えねぇんだよ!
、、、と言いたいのをひたすらに我慢してる俺、偉い
「とにかく、先輩が想像してるようなことは無いんで。 風紀委員さんが出張るような案件じゃないですよ。」
「君は風紀委員を何だと思ってるんだ、、、」
「来栖高校に生き残る、現代の新選組。」
「ほう、ならば切り捨て御免しても良いんだな?」
「俺に四民平等は適用されてないんですか、、、」
「まぁ、私が訊きたかったことはそれだけだ。 帰っていいぞ。」
呼び出したのアンタだろうに、、、あ、そうだ
「先輩って風紀委員長ですよね。」
「何だいきなり改まって。」
「相談に乗ってくれませんか? 先輩しか相談できる人がいないんで。」
「、、、すまん。 訊いて悪かった。」
いやあの、ボッチなの気にしてないんで、マジで申し訳無さそうな顔するの止めてくれます?
「もういいです、勝手に相談しますよ。 、、、最近、誰かにつけれてるんですよ。」
「君はチョウセンアサガオという植物を知っているか?」
「なんすかいきなり、、、知りませんけど。」
「またの名をダチュラ、マンダラゲ、キチガイナスビと言ってな。 昔は薬用に使われていたようなんだが、本来は強い幻覚作用があるんだ。」
まさか、、、
「幻覚、めまい、妄想などの症状に襲われるらしい。 このような危険な症状を保有しているというのに、日本の荒れ地に稀に生えているというのが不思議だよな。」
もしかしなくても、、、
「君、密かに栽培とかしてないよな?」
ヤベェ
薬物事案を疑われるレベルで信じてない
「んなもん栽培してるわけないでしょーが!」
「だよな。 すまん、私も少し取り乱した。」
取り乱しすぎでしょ、、、まぁ確かに現実味がないが
「それにしても、、、防犯カメラがそこら中にある現代の日本において、今どきストーカーとはな、、、やっぱり薬b」
「ゼッタイにしてませんからね?」
「冗談だ。 私も気になるが、実際直接的な被害がないのが微妙なんだよ。 君は相手の姿を見たか?」
「、、、いいえ。」
「仮に君が相手側を訴えたとして、相手側がストーキングなどしていないと言い張れば激しい論争になるだろうし、最悪の場合、学校を巻き込んでの裁判になりかねない。」
「そう、ですよね。」
「、、、だが、このまま我が校の生徒が危険にさらされるのを見過ごすわけにもいかないし、無視することなど私の正義が許さない。 手が空いている風紀委員に学校周辺の見回りをさせてみよう。 丁度そのような案を構想していたところだし。」
「先輩、、、」
この人が初めてカッコよく見える、、、相談して良かった
「今日は私が家まで送ろう。 こう見えて武道の嗜みがある。 君を安全に送り届けることを約束しようじゃないか。」
センパイ、、、超カッケェっす
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