第117話 ヤポンの王都

 しばらく待機していたが誰も来なかった。ここにずっと居ても埒があかないのでこちらから向かうとしよう。

 サターン号だと停められないかもしれないので徒歩だな。

 サターン号はストレージに収納。

 三姉妹はサターン号から出してストレージに収納した。

 そうしないと直接出てこられないからな。


 遠くからでも大きい城壁が見える。

 この国の王都なんだろうな。


 シルヴィアはもちろん変身したままだ。

 この国も差別はありそうだからな。


ーーーーーーーーーーーー


 城壁に近づいてきた。大きいな、と感心しながら城門へ歩いていく。


 入国審査に人がたくさん並んでいる。もう一つの窓口はガラガラなのは貴族専用だからだろうな。

 流れは悪くないな、そんなにかからずに入れそうだ。



「次の人〜。はじめましてかな? 冒険者のアウルムはん、シルヴィアはん、アリスはん‥‥‥と。犯罪歴はみんな無し‥‥‥、一応この水晶に触れてみてくれる? 検査しますんで」


 言われるままに触れていく。

「アウルムはんは魔力が‥‥‥ゼロ!? 珍しいなぁ。あぁ、スキルが『ストレージ』だから荷物持ちなんか‥‥‥。失礼したね、大丈夫です」

 通された、まぁいろいろ思うところはあるけどまぁいいか。


「シルヴィアはんは魔力高いねぇ。『全属性魔法』!? ごっついな!!」

「ちょっと! 声が大きいです!」


「あぁ、失礼しました。どうぞお通り下さい」


「えぇっと、アリスはんは‥‥‥あぁ、元貴族なんやね。クリューソス‥‥‥知らへんなぁ。スキルが『剣帝』!? すご‥‥‥」

 突然騎士が入ってきて叫んだ。

「緊急事態や! 魔王が現れたそうや! これから該当するものは一人ずつ王都内を精査するで 手伝ってや?」


 えっ!? 魔王!?

 この世界にはいないんじゃなかったのか?


「えぇ!? 今からでっか?」

 不平を漏らしたのは受付の兵達だ。

 まぁ、余計な仕事が舞い込んだときの気持ちはわかるけど。魔王案件なら仕方ないだろう。


「金髪で細い感じの‥‥‥、おい、早速そこに該当者がおるやないか?」

「あの人は大丈夫ですわ。魔力ゼロやさかい」


「あ、ほな魔王と違うか〜。そこの人すまんかったな。王都にようこそ、楽しんでってや〜」

「堪忍やで〜、ほなな〜」



「‥‥‥なんだか忙しないな」

「早口だし、言葉半分もわからなかったわ」

「そう? 私はだいたいわかったわよ」

 シルヴィアはあの関西弁のような言葉がわかったらしい。

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