第99話 謁見②
「あい、わかった。褒賞の件については後々話し合おう。あとは確認じゃ、アウルム殿、この国と事を構えるつもりは無いのじゃろう?」
「はい、ひととき私は公爵様の臣下で有りましたので。この国にも愛着はあります。個人的な恨みは晴らせたし、この国に弓引く事はございません」
「信じて‥‥‥良いのじゃな?」
「はい、この首を賭けましょう」
「聞いたか、皆のもの! アウルム殿に今後一切手出しする事の無い様に!!」
王は立ち上がり大声で断言した。
「「「御意!」」」
「国王陛下、退場!!」
周りが一斉に跪く。
陛下が去った後は貴族の方々も退場していった。
「アウルム様、こちらへどうぞ」
来た時の様にお付きの人に案内されるままついていく。
先程と別の部屋に案内されていくと‥‥‥、王様がいた。
「おぉ、アウルム殿、アリス嬢もありがとう。そこに掛けてくれ」
「陛下、ワタシとアウルムの結婚、祝福していただけますか!?」
「おぉ、するする。させてもらうからあまり責めるな」
ん? なんか王様なのに立場弱い?
「アウルム殿、不甲斐ない王ですまないな。皆の前以外ではこんなものなのだよ。アウルム殿は16歳と聞いたが‥‥‥」
「はい、そうですね。陛下もお若いですよね」
「余も二十歳を少し超えたくらいだよ。まさかこんな歳で王になるとは思わずな。アウルム殿は歳も近いからな、友人になってくれまいか?」
「えぇっ!?」
びっくりした、王様の友達って‥‥‥。
「アウルム、と呼ばせてもらっても良いだろうか? 余の事は「ジーク」と呼んでくれ」
「私の方は構いませんが‥‥‥、私は「陛下」と呼ばせていただきます」
「まぁ、急には無理ですわ、陛下」
アリス‥‥‥、貴女がそれを言うのか?
「アリス嬢、そういえばアウルムと結婚するとな? 余が証人となろう! さすれば問題なく結婚出来よう。‥‥‥どうしたのだ、アウルムよ?」
それって‥‥‥、王命ってやつでしょう?
逆らえないやつじゃん。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます